- 著者
-
荒川 泰彦
- 出版者
- 公益社団法人 応用物理学会
- 雑誌
- 應用物理 (ISSN:03698009)
- 巻号頁・発行日
- vol.78, no.8, pp.742-750, 2009-08-10
- 参考文献数
- 15
<p>1982年に筆者らが提案した量子ドットおよびそのレーザー応用に関する研究開発は,2002年から2007年まで推進された文部科学省世界最先端I T国家実現重点研究開発プロジェクト「光・電子デバイス技術の開発」,および経済産業省高度情報基盤プログラム「フォトニックネットワークデバイス技術開発プロジェクト」において強力に推進され,市場化の可能性が明確化された.さらに,2006年から始まった科学技術振興調整費先端融合領域イノベーション創出拠点プログラム「ナノ量子情報エレクトロニクス連携研究拠点」プロジェクトにおいては,量子ドットレーザーの研究開発が加速化されるとともに,量子情報デバイス,フレキシブルエレクトロニクス,エネルギー変換デバイスなどの研究開発が行われている.2006年には,上記プロジェクトの研究開発に基づき,株式会社QDレーザーが設立され,量子ドットはイノベーション創出に向けて本格的に貢献する体制が整った.本稿では,量子ドット光デバイスについて産学連携を基軸にして強力に研究開発を推し進めた国家プロジェクトの発足の経緯を中心に論じる.</p>