著者
田原 弘一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.196-203, 2012-03-10
参考文献数
23

<p>小惑星探査機「はやぶさ」はイオンエンジンを駆り地球帰還,世界中を興奮させた.宇宙大航海時代の幕開けである.近年,さまざまな高度宇宙ミッションの遂行・提案に合わせて,既存の電気推進ロケットエンジンの性能向上,作動域の拡大,さらに斬新なアイデアを盛り込んだ,新しい電気推進エンジンの開発研究が盛んである.高性能電気推進エンジンの開発においては,プラズマ物理・技術を駆使して,いかに効率よくプラズマを生成・加速するかが鍵となる.また,宇宙機器特有の軽量化,長寿命化も開発上の大きな問題である.本稿では,電気推進エンジンの最近の開発・利用状況,将来の月基地建造,有人火星探査計画などに適用できる大電力電気推進の必要性,微小電力電気推進エンジン搭載超小型人工衛星打ち上げ計画を紹介する.</p>
著者
藤本 眞克
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.592-595, 1992-06-10

われわれが日常使っている時刻の基準となるのは,世界各地の原子時計の統計的平均として作られた国際原子時である.基準時刻は相対性理論によって座標時として定義され,セシウム原子時計を主とする原子詩計群,およびこれらを高精度で相互比較するためのGPSを利用した時刻比較法によって,国際的な時刻決定が行われている.関連した話題をいくつか紹介する.
著者
竹田 圭吾
出版者
応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.1035-1038, 2009-11-10
被引用文献数
1
著者
岸田 俊二 内田 晴久 磯村 雅夫 佐山 和弘 山田 明 岡田 至崇 笠井 秀明 坂上 護 梶川 武信 内海 和明 高田 俊和 木村 英樹 江部 広治 首藤 直樹 加藤 芳秀 上松 敬禧 佐藤 理夫 小原 宏之 須田 不二夫 原 一広 和泉 茂一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.741-743, 2010-08-10
参考文献数
5

<p>温暖化と資源の枯渇を克服し,持続可能な社会を築くことが人類喫緊の課題である.持続可能な具体的社会像と,今後10〜20年に開発すべき技術群を描いた.自然エネルギーへの大胆な転換と画期的な省エネルギー技術の普及が必須で,特に,太陽光からの燃料の直接生産の実現がキーとなる.これらの産業技術は新たな経済発展のテコになると期待される.</p>
著者
洪 鋒雷
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.546-549, 2010-06-10
参考文献数
35
被引用文献数
2

<p>2005年ノーベル物理学賞の受賞理由の一つは,モード同期レーザーによる光コム技術の開発であった.超短パルスレーザーと精密分光の融合技術である光コムは高精度標準などの精密計測に欠かせない道具となった.本稿は,光コムの誕生を振り返りつつ,光コムの測定原理について述べる.また,光コムがもたらしてくれたもの,およびこれから発展する研究内容について紹介する.</p>
著者
荒川 泰彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.78, no.8, pp.742-750, 2009-08-10
参考文献数
15

<p>1982年に筆者らが提案した量子ドットおよびそのレーザー応用に関する研究開発は,2002年から2007年まで推進された文部科学省世界最先端I T国家実現重点研究開発プロジェクト「光・電子デバイス技術の開発」,および経済産業省高度情報基盤プログラム「フォトニックネットワークデバイス技術開発プロジェクト」において強力に推進され,市場化の可能性が明確化された.さらに,2006年から始まった科学技術振興調整費先端融合領域イノベーション創出拠点プログラム「ナノ量子情報エレクトロニクス連携研究拠点」プロジェクトにおいては,量子ドットレーザーの研究開発が加速化されるとともに,量子情報デバイス,フレキシブルエレクトロニクス,エネルギー変換デバイスなどの研究開発が行われている.2006年には,上記プロジェクトの研究開発に基づき,株式会社QDレーザーが設立され,量子ドットはイノベーション創出に向けて本格的に貢献する体制が整った.本稿では,量子ドット光デバイスについて産学連携を基軸にして強力に研究開発を推し進めた国家プロジェクトの発足の経緯を中心に論じる.</p>
著者
長谷川 誠
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.803-808, 2008-07-10
参考文献数
15
被引用文献数
6

<p>千歳科学技術大学の学生プロジェクト「理科工房」は,地域の小中学校の総合学習を利用した理科実験授業,PTAや科学館と連携した実験・科学教室,さまざまな機会での実験デモンストレーションなどを行っている.この活動は,担当する大学教員が積極的に関与するものの,基本的には学生の自律性を重視したプロジェクト活動である.自ら考えて行動する独立した個人が,お互いに協力・協調しながら目標を達成し,結果を検証していく自律的な活動は,参加学生にとって,思考力,協調性・コミュニケーション能力,技術力・知識の自主的な向上の機会となっている.また,必要な実験器材の作製作業を通じて,学生のものづくり意欲の喚起にもつながっている.</p>
著者
中沢 正隆
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.922-932, 1997-09-10
参考文献数
49

高速・長距離通信の実現を目指す光ソリトン通信は低雑音・高利得・広帯域という特徴をもつエルビウム光ファイバ増幅器の出現により画期的な進展があり,今では数多くの優れた光ソリトン伝送実験が報告されている.中でも最近の大きなブレイクスルーは分散のアロケーションによるパワーマージン・分散許容量の増大などソリトンの伝送の飛躍的な高性能化にある.分散ア日ケートソリトンは光カー効果によるソリトンとしての分散補償のほかに,伝送性能を劣化させる4光波混合などのほかの非線形光学効果を取り除くことができる点で大変重要な技術である.<br> 来るべき21世紀のマルチメデイア社会には大容量の通信が不可欠であり,ここで述べるDーAソリトン通信はその中核をなす技術の一っとなると考えられる.本報告では,目覚ましい進展を遂げているソリトン通信と将来展望について述べる.
著者
中沢 正隆
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.508-516, 2010-06-10
参考文献数
57
被引用文献数
2

<p>レーザーによる情報通信技術の発展,特に光ファイバー通信を中心に,ここ50年の発展を三つの世代に大別して概観する.第1世代は,1985年ごろまでの光ファイバーの低損失化・半導体レーザーの高性能化の時代である.いかにシリカファイバーが低損失化され,それとともに半導体レーザーの性能が向上していったかについて述べる.第2世代は2005年ごろまでのEDFAの出現とWDM技術による大容量化・長距離化の時代である.小型EDFAの出現はグローバルな高速ネットワークを実現したが,励起光源としての高出力InGaAsP半導体レーザーが重要な役割を果たしている.第3世代は2030年の情報通信を目指した多値コヒーレント伝送あるいは単一チャネルテラビット伝送である.光のコヒーレンス性と超高速性を極限まで駆使することにより,シャノンリミットと呼ばれる情報通信の限界に向けての研究が始まっている.そこで最後に周波数安定化レーザーとそれを用いたコヒーレント伝送の研究状況を述べる.</p>
著者
山中 一司
出版者
応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.751-757, 2007-07-10
参考文献数
30
著者
和保 孝夫
出版者
応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.81, no.12, pp.1015-1019, 2012-12-10
参考文献数
35