著者
間藤 正美 工藤 寛子 山形 敦子 佐藤 孝夫 柴田 浩
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.201-208, 2009-04-15

7月下旬咲き小ギク'小雨'、'みちのく'、'やよい'の生育に及ぼす気温とエセフォン処理の影響について調査した。開花期は、各年の気温によって大きく変動した。変動の要因は、花芽分化期の低温や花芽発達期の高温であり、特に後者の影響が大きかった。'小雨'は、これらの時期の高温や低温によって発蕾後の花芽発達が抑制されて、開花が遅延しやすい品種であった。'みちのく'は、花芽分化期の低温により花芽分化および発蕾前の花芽発達のみが抑制され、開花の年次変動の小さい品種であった。'やよい'は、花芽発達期の高温で発蕾後の花芽発達が抑制され、開花の年次変動が供試3品種中で中位の品種であった。7月下旬咲き小ギクの開花は、エセフォン処理によって遅くなるが、その程度も品種間差があった。供試3品種において、エセフォン処理は、主に花芽分化および発蕾前の花芽発達を抑制した。しかし、'小雨'および'やよい'に対するエセフォン処理では、気温によって発蕾後の花芽発達の抑制程度に大きな変動が見られた。7月下旬咲き品種のエセフォン散布処理による盆出荷作型の開発において、'みちのく'の様に気温による開花の年次変動が小さい有望な品種があることが判明した。今後、適応する品種を選抜して、盆出荷のための適正な散布方法を開発する必要があると考えられた。

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