著者
住友 克彦 山形 敦子 島 浩二 岸本 真幸 久松 完
出版者
農業技術研究機構花き研究所
雑誌
花き研究所研究報告 (ISSN:13472917)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-11, 2009-12

遠赤色光(FR)を効率的に照射することが可能な蛍光灯を用い,数種花きにおいて明期終了時の短時間FR照射処理(EOD-FR)を行い,開花反応および伸長成長を調査した。EOD-FR処理に対する開花および伸長成長における反応は,植物種によって様々であった。EOD-FR処理によって,キクでは3品種において伸長成長が促進されたが,'神馬'では変わらず,反応には品種間差が見られた。ヒマワリ2品種,キンギョソウ2品種,ストック'ピンクアイアン',ブプレウルム'グリーンゴールド'およびカーネーション'バーバラ'では,伸長成長および開花が促進された。ガーベラ'オーランド',カラー'クリスタルブラッシュ',コスモス'ミヨシのベルサイユ'およびバラ'ボヌール'において,本実験のEOD-FR処理条件では,伸長成長および開花における影響は見られなかった。ケイトウ'デリーパール'では,EOD-FR処理によって茎伸長が促進されたものの,開花は遅延した。また,アスター'セレネピンク'では,茎伸長は影響を受けず,開花が遅延した。キク'デックモナ'および'セイエルザ',ヒマワリ2品種およびケイトウ'デリーパール'では,栽培時期によってEOD-FR処理による伸長成長または開花の促進効果が変動した。以上のことから,営利栽培においてEOD-FR処理を実際に利用するためには,EOD-FR処理の方法および効果について,品目ごとに詳細に検討する必要があるものの,花き営利栽培の場面でのEOD-FR処理の利用の可能性が示された。
著者
住友 克彦 山形 敦子 島 浩二
出版者
農業技術研究機構花き研究所
雑誌
花き研究所研究報告 (ISSN:13472917)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-11, 2009-12

遠赤色光(FR)を効率的に照射することが可能な蛍光灯を用い,数種花きにおいて明期終了時の短時間FR照射処理(EOD-FR)を行い,開花反応および伸長成長を調査した。EOD-FR処理に対する開花および伸長成長における反応は,植物種によって様々であった。EOD-FR処理によって,キクでは3品種において伸長成長が促進されたが,'神馬'では変わらず,反応には品種間差が見られた。ヒマワリ2品種,キンギョソウ2品種,ストック'ピンクアイアン',ブプレウルム'グリーンゴールド'およびカーネーション'バーバラ'では,伸長成長および開花が促進された。ガーベラ'オーランド',カラー'クリスタルブラッシュ',コスモス'ミヨシのベルサイユ'およびバラ'ボヌール'において,本実験のEOD-FR処理条件では,伸長成長および開花における影響は見られなかった。ケイトウ'デリーパール'では,EOD-FR処理によって茎伸長が促進されたものの,開花は遅延した。また,アスター'セレネピンク'では,茎伸長は影響を受けず,開花が遅延した。キク'デックモナ'および'セイエルザ',ヒマワリ2品種およびケイトウ'デリーパール'では,栽培時期によってEOD-FR処理による伸長成長または開花の促進効果が変動した。以上のことから,営利栽培においてEOD-FR処理を実際に利用するためには,EOD-FR処理の方法および効果について,品目ごとに詳細に検討する必要があるものの,花き営利栽培の場面でのEOD-FR処理の利用の可能性が示された。
著者
間藤 正美 工藤 寛子 山形 敦子 佐藤 孝夫 柴田 浩
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.201-208, 2009-04-15

7月下旬咲き小ギク'小雨'、'みちのく'、'やよい'の生育に及ぼす気温とエセフォン処理の影響について調査した。開花期は、各年の気温によって大きく変動した。変動の要因は、花芽分化期の低温や花芽発達期の高温であり、特に後者の影響が大きかった。'小雨'は、これらの時期の高温や低温によって発蕾後の花芽発達が抑制されて、開花が遅延しやすい品種であった。'みちのく'は、花芽分化期の低温により花芽分化および発蕾前の花芽発達のみが抑制され、開花の年次変動の小さい品種であった。'やよい'は、花芽発達期の高温で発蕾後の花芽発達が抑制され、開花の年次変動が供試3品種中で中位の品種であった。7月下旬咲き小ギクの開花は、エセフォン処理によって遅くなるが、その程度も品種間差があった。供試3品種において、エセフォン処理は、主に花芽分化および発蕾前の花芽発達を抑制した。しかし、'小雨'および'やよい'に対するエセフォン処理では、気温によって発蕾後の花芽発達の抑制程度に大きな変動が見られた。7月下旬咲き品種のエセフォン散布処理による盆出荷作型の開発において、'みちのく'の様に気温による開花の年次変動が小さい有望な品種があることが判明した。今後、適応する品種を選抜して、盆出荷のための適正な散布方法を開発する必要があると考えられた。