著者
秋谷 進 宮本 幸伸 木村 光明
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 = The Japanese journal of pediatric allergy and clinical immunology (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.139-146, 2009-03-01
参考文献数
23

原因不明の乳児肝炎として経過観察していた症例で,IgE 非依存性牛乳アレルギーと診断した2症例を経験した.IgE 抗体非依存性食物アレルギーは,IgE 抗体が通常陰性であるため食物アレルギーとは気づかれず種々の侵襲的検査を余儀なくされ,診断の遅れのために栄養障害や重症化をきたした報告も多く認められる.現在のところ IgE 抗体非依存性食物アレルギーの診断には評価の一定した検査方法がないが,臨床経過から IgE 抗体非依存性牛乳アレルギーを疑い,食物特異的リンパ球増殖反応検査を用いることで IgE 抗体非依存型牛乳アレルギーと診断した.乳児の慢性肝機能障害を呈する疾患のうち食物アレルギーの可能性を考慮し診察することで,侵襲性の高い検査が回避されることが考えられた.

言及状況

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@kasei_san https://t.co/jCPw4zLSD8 普通のアレルギー検査(IgE抗体を調べる)では引っかからないタイプのアレルギーがあるそうです。隠れアレルギー、遅延性アレルギーとも称し、症状が通常のアレルギーと異なるとの旨。
https://t.co/jCPw4zLSD8 通常のアレルギー検査(IgE抗体検査)に引っかからない牛乳アレルギー事例。乳幼児肝炎を発症とのことで厄介である。ともかくも普通のアレルギー検査に引っかからない『隠れアレルギー』がいるのは間違いなさそうね……。

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