著者
作田 庄平
出版者
マイコトキシン研究会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.79-86, 2010-07-31
被引用文献数
16 4

<i>Aspergillus parasiticus</i>によるアフラトキシン生産あるいは<i>Fusarium graminearum</i>によるトリコテセン生産に対する阻害活性を指標として,微生物の代謝物および精油を対象に活性物質の探索を行った.その結果,放線菌の生産するアフラスタチン類,ブラストサイジンAおよびS,ジオクタチンAがアフラトキシン生産を強く阻害することを見出した.また,精油成分であるディルアピオール,アピオールおよびスピロエーテルがアフラトキシンG<sub>1</sub>を特異的に阻害することを見出し,さらにスピロエーテルはトリコテセン生合成の鍵酵素であるTRI4の酵素活性を阻害しトリコテセン生産を抑制することを示した.また,特異的なトリコテセン生産阻害物質として精油からプレコセン類およびピペリトンを単離した.得られた阻害物質はアフラトキシンあるいはトリコテセン汚染防除剤開発におけるリード化合物として有用であり,それらの作用点はより効果的な薬剤を得るために重要であるばかりでなく,カビの二次代謝産物生産調節機構を解明する上での貴重な情報を与える.

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