著者
和田 祥枝 北詰 浩一 鈴木 隆之 藤田 彰 清水 誠一郎
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.284-289, 2013-03-30
参考文献数
15

65歳男性。健康診断で白血球増多を指摘されて受診,白血球,LDH, sIL-2Rの軽度上昇を認めた。画像検索では明らかな所見なく,骨髄検査では核小体不明瞭な小型の異型リンパ球を多数認め,T細胞系の表面マーカー陽性,染色体検査は正常核型であった。以上よりT細胞前リンパ球性白血病(T-PLL) small cell variantと診断,経過観察となった。白血球増多を指摘されてから約34か月後,頸部リンパ節の急激な増大と,白血球,LDH, sIL-2Rの急速な上昇を認め,入院となった。骨髄穿刺および頸部リンパ節生検では,これまで検出できなかったinv(14)(q11;q32)を含む複雑な染色体異常を示し,画像上全身のリンパ節腫大と肝脾腫を認めた。入院4日目に脾臓破裂を合併し,経カテーテル動脈塞栓療法を行うも救命できなかった。本症例は,緩慢な経過ののち急激な悪化時にT-PLLに特徴的とされる染色体異常を認めた。またT-PLLの剖検症例は貴重と考えられ報告する。

言及状況

外部データベース (DOI)

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私は元白血病患者ですが、専門家ではないので調べた範囲で書くと、(慢性ではなく普通に)T細胞前リンパ球性白血病(T−PLL)は日本では年間でせいぜい数十人しかいない病気のため、治療法が確立されておらず専用の治療薬の開発もされていないようです。 https://aasj.jp/news/watch/3668 https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000 ...

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