著者
瀧本 家康
出版者
東北地理学会
雑誌
季刊地理学 = Quarterly journal of geography (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.17-35, 2013-06-10
参考文献数
25

梅雨明け時の熱帯対流活動活発化領域の位置の違いと日本周辺域の高度場の変化との関係を検討した。<br> 1979年から2002年の24年間において,日本付近のOLRを指標に梅雨明けが明瞭な20年間の梅雨明け日を定めた。これらの年について,梅雨明け日前後のOLRの合成図を比較した結果,フィリピン付近と西部北太平洋で対流活動が活発化する年(WP型,2年),フィリピン付近で活発化する年(P型,7年),西部北太平洋で活発化する年(W型,5年),両地域で活発化が起こらない年(N型,6年)の4つの型があることがわかった。P, W, N型の梅雨明け時の高度場の変化を調査した結果,梅雨明けには① 熱帯からの定常ロスビー波および偏西風ジェット上の定常ロスビー波の伝播による高気圧の強化(P型),② 偏西風ジェット上の定常ロスビー波の伝播による高気圧の強化(N型),③ 太平洋高気圧の東への後退(W型),という3つの機構があることが明らかとなった。また,熱帯対流活動が活発化する領域の違いが梅雨明けの引き金となる熱帯からの定常ロスビー波の発生の有無に関係している可能性が示唆された。

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梅雨明け時に起こる熱帯対流活動と大規模循環場の変化 https://t.co/H7JY11HUe1

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