著者
李 海珠
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡国際大学紀要 (ISSN:13446916)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.79-85, 1999-03-05

日本は,韓国に22年先立って開港にふみきり,いち早く西洋の科学文明を吸収し,工業化と近代化を推進することによってみごとに先進工業国としての経済大国を築きあげた。一方,韓国は徹底した鎖国攘夷政策を固く守り続けたが,1876年,外圧による江華島条約で開港を余儀なくされ,これがきっかけとなつて半植民地(植民地)・半封建社会へのコースをたどらざるをえなくなった。日本統治からの解放後も国土分断,韓国戦争など苦境を経てようやく新興工業国としての地位を固めることとなった。それゆえ,本稿では韓日両国における工業化・近代化の諸条件を初期,戦後復興期,高度成長期,高度情報化と先進産業社会への移行期にかけて比較し,その特質を明らかにすることによって「後発国の利益」を模索しようと試みたのである。

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