著者
兪 慰慈
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡国際大学紀要 (ISSN:13446916)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.51-66, 2003-02-18

五山文學(1191-1620)は日本臨濟宗の禪僧らの漢詩文を中心として、公家・僧侶・儒家・武将などの漢詩文も含む日本中世漢文学である。本論文の焦点を五山文學の柱である五山漢詩に絞って、その起源を探ってみたい。
著者
藤原 耕作
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.107_a-95_a, 1994-12-10
著者
近 雅代 沼田 貴美子 江後 迪子 左 篤子 外西 壽鶴子
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.25-39, 2003-02-28

福岡県太宰府市,長崎市,大分市,熊本市,鹿児島市と東京都文京区で1816人を対象に小学生,学生,成人の三つの世代に分けてラーメンがどのように食べられているか調べた。1.ラーメンが「好き」な人は「大好き」な人も含めて小学生,学生の世代で85%,成人の世代で68%に達した。全体として79%の人がラーメンを好み,世代を超えて好まれていることが分かった。ラーメンが「大好き」な人は小学生に多く,年齢が若い世代の人により好まれているようである。2.長崎の成人においてラーメンの「大好き」と「好き」が少なかったのは,チャンポンや皿うどんなどの食文化が,長崎ではラーメンより古くからあったためと考えられる。3.どの世代もどの地域でもラーメンは間食ではなく1回の食事として位置づけていた。4.澄んだスープは東京の人が,濁ったスープは九州の人が世代を問わず好んでいた。世代別で見ると「学生」の世代が濁ったスープを好む割合が高かった。5.世代を問わずとんこつ味が好まれていた。地域別では,しょうゆ味を東京が,とんこつ味を九州地域が好んでいた。6.ラーメンの好まれる具材は世代によって異なった。「小学生」は,焼き豚,コーン,ねぎ,たまご,もやしを,「学生」は焼き豚,ねぎ,もやし,コーン,たまごを,「成人」はねぎ,もやし,焼き豚,メンマ,キャベツを,この順に好んでいた。地域の特徴は,福岡のごま,鹿児島と大分のキャベツ,東京と長崎のメンマ,熊本のきくらげにみられた。7.ラーメン店は九州では,古くから鹿児島において人口に対して多く存在していた。
著者
藤原 耕作
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.108_a-97_a, 1997-07-11

坂口安吾の「ロッテナム美人術」は『安吾捕物帖』の一篇として発表されているのであるが、他の作品とはかなり性質を異にしている。たとえば他の作品はかならず探偵が謎を解き何らかの形でそれが実証されるという形をとっているのに対し、この作品では探偵の推理は仮説の域を出ず、従って犯人を捕らえることが出来ない。また、その結果探偵は被害者を救うことが出来ず、作品は悲劇的な結末を迎えるのであるが、そこにかなり強引な形で「救い」が描かれる。こうした奇妙な現象はどのように説明できるのであろうか。実はいかに「確証」をあげるか、「救い」をどのようにつけるか、というような問題はこの時期の安吾文学全般に通じるものである。ここでは、同時期に書かれた『安吾行状日記』『安吾史譚』などにおいてそれを確認し、そうした問題の根源に競輪事件があることを指摘している。競輪事件を震源とする波が同時期の作品に同じような偏差を与え、それが『安吾捕物帖』のなかで「ロッテナム美人術」を浮き上がらせているのである。
著者
黒木 彬文
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡国際大学紀要 (ISSN:13446916)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.67-73, 2003-02-18

1880年設立の興亜会は近代日本最初にアジア主義組織であり、そこには大きく分けて五つの担い手を異にするアジア主義の思潮があった。日本の文明開化の先進性を意識した日本盟主論の強いものからそうではなくアジアの対等性に重きを措くものまで、日本とアジア(おもに朝鮮中国)との関係性についてはニュアンスの違いがあった。それは思想の重点を日本ナショナリズム(国権拡張)におくか、アジア地域主義(興亜主義)におくか、の違いに照応していた。しかし、そこに共通するのは通商貿易をとおしてのアジアの基本的には水平関係形成の志向性であった。これは日清戦争後の軍事力を背景とする垂直関係形成の志向性とはことなっていた。そのようなアジア主義を初期アジア主義と規定してみたい。
著者
竹村 真由美 山崎 統道
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.11-20, 1983-12-30

本報では, おからの保存と大量有効利用を目的として, 乾燥おからを試作し, その乾燥おからと米麹および乾燥おからと米混用全麹の各味噌の製法を考案し, 次のような結果を得た。1. 乾燥おから使用味噌では, 在来の大豆使用味噌に比して, 糖化率, タンパク質分解率および有機酸の生成量の測定結果から, 熟成期間が約1/3に短縮された。2. 全麹使用味噌のF・N/T・Nは, 在来の大豆使用味噌に比して55.2%で, 高い分解率を示し, 特に仕込初期(5日以内)に遊離アミノ酸の増加が顕著であった。3. 乾燥おから使用味噌の色調・化学的組成および風味については, 大豆使用味噌に類似した値が得られたが, 特にグルタミン酸含量では, 大豆使用味噌の1.3倍, 既報の生おから使用味噌の1.8倍と高値を示し, 旨味のある製品が得られた。
著者
竹村 真由美 山崎 統道
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-7, 1981-06-30

新鮮おからと米を用いて味噌製法を試み, 次の結果を得た。1.おから味噌の仕込条件でおから対米の配合割合が1 : 1の場合では, 熟成期間が10日間に短縮された。2.おから味噌はエタノール含量が多く, エステル香が強く, 「なめ味噌」タイプの製品が得られた。3.本仕込み法のおから味噌ではグルタミン酸含量が少なく旨味が乏しかった。
著者
山崎 統道
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.65-77, 1997-01-11

女子短大生(189名)を対象として, 疲労, 身体活動(運動状況調査), 休養状況についてアンケート調査を実施した。結果は, 以下のとおりである。1) 疲労感について : 疲れてもすぐ回復する者36.0%, 疲れが残る・いつも疲れている者64.0%であった。2) 疲労の内容 : ねむい91.0%, あくびがでる84.6%, 横になりたい64.0%, 肩がこる50.8%, 目がつかれる49.7%, 足がだるい40.7%であった。一方, 精神的症状の訴えとして, 話をするのがいやになる24.3%と訴える者は少なかった。3) 疲労の徴候 : 急性疲労11.6%, 亜急性疲労19.1%, 日周性疲労47.1%, 慢性疲労22.2%であった。4) 日常生活における身体活動 : 対象者の81.0%の者が運動不足がち, 運動不足であった。5) 疲労, 身体活動と休養とのかかわり : 対象者は健康増進のため疲労の解消, 食事に対する食意識の高揚, 日常, 健康のためには運動の必要性, 休養については消極的な休養に留まりがちな現在から, 生活の質を向上させるための休養として積極的な休養を推進することが必要である。
著者
山崎 統道
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.43-56, 1997-07-11

女子短大生の食生活, 自覚症状の訴え, 身体活動および, 食生活と身体活動との関連について調査・検討した。結果は次の通りである。1. 対象者は地方都市に居住し, 自宅通学生が主体である。週1∿2日休めるもの85.2%, 規則正しい生活をしているもの12.2%, ストレス正常者35.4%, 自分は健康であるとするもの45.5%であった。2. 対象者の食習慣は79.7%のものが少し悪い, 悪い状態であった。3. 自覚症状の訴えとして「ねむい, あくびがでる, 横になりたい, 全身がだるい, 根気がなくなる, イライラする, 肩がこる, 時々立ちくらみしそうになる等の症状」であった。4. 対象者の81.0%のものが運動不足がち, 運動不足であった。5. 食習慣が悪くなるにつれて体の動きが悪くなり, 体の動きが悪いものは食習慣も悪くなる傾向がみられた。
著者
栗原 昌子
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡国際大学紀要 (ISSN:13446916)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.55-62, 2000-02-02

チリが1980年代に経験した対外債務危機は民間債務比率の高さ, 危機発生に繋がる経済政策の失敗など, 1997年のアジア通貨危機との類似点が多い。また, チリは対アジア貿易依存度が高いにもかかわらず危機の影響が軽微であった。これにはチリが独自に採用している短資流入規制が有効に機能したとの評価があり, 新興市場の通貨危機予防策としてこの規制が注目を集めている。しかし, 危機の伝染を回避できたのはこの規制導入の効果だけによるものではない。チリが80年代の危機を教訓に金融システムを再建し, 競争力のある為替相場を導入, 節度あるマクロ経済運営に努めたからに他ならない。短資流入規制はそうした文脈のなかで採られた政策手段のひとつである。チリの経験は, 金融のグローバル化が一層進展するなかで新興市場国が通貨投機の標的になることを回避する上で示唆に富むものである。
著者
早川 京子 Linko YuYen Linko Pekka
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.37-49, 2000-02-15

It appears, from the public health viewpoint, the main goal should be to restrict the total fat intake to about 30 percent of energy intake, together with the recommendation that the total intake of saturated fatty acids and TFAs should not exceed 10 percent according to the Nordic Nutrition Recommendations, recently ratified by the Nordic Council of Ministers. This can be achieved by reducing the intake of hard, saturated fats by favoring edible fats, which are soft or fluid at room temperature. Recent studies indicate that TFAs formed during partial hydrogenation of unsaturated fatty acids may increase blood cholesterol and the risk of coronary heart disease. Nevertheless, the data to define the highest acceptable intake level of TFAs are still insufficient, and any recommendation should be considered in relation to other fatty acids in the diet. From the health point of view, saturated fatty acids of animal origin constitute the major problem. To reduce the total amount both of saturated and trans fatty acids, the consumer should primarily reduce the consumption of hard margarine and butter, and fat-containing dairy and meat products, as these foods have the highest content both of saturated and trans fatty acids.
著者
鈴木 敏英
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡国際大学紀要 (ISSN:13446916)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.47-62, 2002-09-10

外国離婚の承認に関するアイルランド国際私法規則は,1980年代後半からの外国離婚承認法の成立,アイルランド憲法の改正,新家族法の登場などによって根本的な変革がもたらされた。その一方で,イギリス法の情況とはかなり相違しており,伝統的なコモン・ロー準則は,承認法の立法化により廃棄されることなく健在そのものなのである。イギリス国際私法において,コモン・ロー準則の一翼を担っていたにもかかわらず,外国離婚の承認法の現出によって発展的に廃棄された,相互主義の原則を提唱するTravers準則が,アイルランド国際私法において導入されて復興したことは興味深いところである。本稿では,伝統的なコモン・ロー準則および承認法により展開してきたイギリス国際私法について比較法的に考究しながら,アイルランド憲法と外国離婚の承認規則についての相関関係,Travers準則の復興の要因と承認規則としての新たな展開の様相,さらに,EUブラッセル条約についても分析する。そして,裁判離婚を唯一の婚姻解消方法として認めるアイルランド法における,裁判の手続きによらない外国離婚の承認問題についても検討したい。
著者
中嶋 昭正
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.1-8, 1980-06-30

加糖脱脂乳培地でのフィチンの乳酸菌発育促進効果を, Lact. casei(代田株, YIT-9018), Lact. acidophilusを用いて検討し, 次の結果を得た。1.米糠から抽出した粗フィチン, および市販試薬用フィチンは, 米胚芽水抽出液には劣るが, かなりの乳酸菌発育促進効果を示した。2.フィチンをDowex 50(H^+)で処理し, NaOH中和したものには乳酸菌発育促進効果が認められなかった。3.市販フィチン酸もほとんど乳酸菌発育促進効果を示さなかった。4.フィチンの灰化物には灰化前とほぼ同じ乳酸菌発育促進効果が認められた。5.これらの実験結果から, フィチンあるいは粗フィチンの無機カチオン部分が乳酸菌発育促進効果を示すものと考えた。