著者
永田 実
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.65-69, 1976-11-30

熱可塑性弾性体のポリエーテルーポリアミドブロック共重合体の合成について検討を加えた。ポリエーテルとしてポリエチレングリコール(分子量1000)あるいはポリブチレングリコール(分子量1089または1968)を用い, これにセバシン酸クロリドあるいはアジピン酸クロリドを混合して, ヘキサメチレンジアミンと重縮合させ, 種々の組成比のブロック共重合体を合成した。その結果, 低温溶液重縮合法によるよりも界面重縮合法によるほうが溶液粘度の高い共重合体を合成しうることが判明した。ポリエーテルにポリエチレングリコールを用いた場合には生成物はペースト状となった。共重合体の赤外吸収スペクトル法による組成分析の結果, 仕込み組成と共重合体組成とはあまり相違せず, 酸クロリドの反応性が分子長に依存しないことが示唆された。融点測定の結果, 共重合体の融点はポリエーテル鎖が短かい場合にはFloryの融点降下曲線の値よりも高く, 長い場合には低くなった。この原因はブロック共重合体の生成と希釈剤効果によると解された。

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こんな論文どうですか? ポリアミド系熱可塑性弾性体の合成(B. 生活科学),1976 http://ci.nii.ac.jp/naid/110000058024

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