著者
奥村 萬亀子
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.63-69, 1977-11-30

時代の変革期に際し, その先がけとして現われるものに風俗の現象がある。歴史を振り返る時, "ばさら"と"かぶき"はその顕著な例である。いずれも変革期における反逆性を精神的基調とする。本稿では"ばさら"について述べる。"ばさら"は, 主として舞や楽を評するのに使われる"ばさ"を語源とし, 正統なる調子から逸脱したところに表われるある種の美的状況を示すものである。こうした表現は当然のことながら, 正統なる世界の枠外のものによって担われているものであった。これが一時代の風俗を示す語となるには, "ばさらぶり"の担い手たちを先導とする経過がある。ここに展開される服飾の様相は伝統的な服飾美からは逸脱した, 異質の主張をもったものである。
著者
奥村 万亀子 MAKIKO OKUMURA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.47, pp.25-33, 1996

丹波福知山地方に「ちょろけん」と呼ばれる手織の自家用織物がある。ところが「ちょろけん」とは江戸時代唐船や紅毛船により舶載され珍重された渡来裂であり, その名は早くに定着しているがその定義や使用例に不明な点が多い。この二つの裂の関係を「木目文様」を鍵として考察する。
著者
松原 聡 Satoshi MATSUBARA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.37, pp.p91-99, 1986-11

サイトカイニン活性をもつ多くのプリン誘導体は, 人間の細胞培養において抗腫瘍作用など重要な生理作用を持っていることが知られている。一方, このような物質は種々の食品材料植物に, サイトカイニンあるいはtRNAの微量塩基として含まれていることが報告されている。本研究では, たけのこの煮汁に含まれているサイトカイニンについて, n-ブタノール分画, イオン交換樹脂カラム, セファデクスカラムを用いて分画し, 植物培養細胞の増殖を生物検定として調べた。その結果, たけのこの煮汁には数種のサイトカイニンが含まれていることがわかった。そのうちの水溶性サイトカイニンを, さらにペーパークロマトグラフィー, バリウム沈殿, 酵素分解などによって調べた結果, たけのこの煮汁に含まれている水溶性サイトカイニンはゼアチンのリボチドであると考えられる。煮汁には約20μMのゼアチンリボチドに匹敵する活性が含まれていることがわかった。
著者
畑 明美 南光 美子 長谷川 明子 AKEMI HATA YOSHIKO NANKO AKIKO HASEGAWA
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 = The scientific reports of the Kyoto Prefectural University. Natural science and living science (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63-71, 1986-11-15

キュウリ, ナス, キャベツを用いて塩漬け及び糠漬けを行い, 漬け込み後経日的にpHの変化並びに無機成分の挙動を調べた。1.塩漬け, 糠漬けのいずれの場合も, 漬け材料, 糠床及び漬け汁ともに経日的にpHは低下した。2.塩漬けのキュウリ, ナス及びキャベツ中のNa含量は経日的に増加したが, キュウリ, キャベツ中のMg, Ca, K含量は減少するのに対し, ナス中では増加することが認められた。3.糠漬けのキュウリ, ナス及びキャベツ中のNa及びMg含量は増加し, Ca含量は減少した。また, ナス中のK含量は漸増したが, キュウリ, キャベツ中では減少する傾向が認められた。
著者
畑 明美 南出 隆久 殿畑 操子
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.37-48, 1990-11-19

In order to clarify changes in quality of manufactured goods in apple pie as affected by the thickness in bottom crust and the presence of hole in top and bottom crust were investigated. Pastry of pie was made flour (protein content 8.3% and 11.4% mixed 1 : 1/weight ratio) with salt-water and natural butter. Thereafter, two-crust was prepared with 0.3,0.4,0.5 and 0.6cm thickness in bottom crust and 0.2cm thickness in top crust with hole (1.5mm^2,80 pieces/pie), and baked for 13 minutes at a temperature of 200℃, filled 100g or 200g using apple preserve. The results obtained were summarized as follows : Although the formation of flakiness was more promoted at 0.6cm thickness than that of 0.3cm in bottom crust, however, these parts were not swelled fully, and became heavy total weight of pie. In the case of presence hole in top crust, evaporation of water in pie was accelerated, and good swelling was also recognized. In conclusion, it was indicated that general condition of excellent apple pie is 0.3cm thickness of bottom crust and make hole in top crust only.
著者
畑 明美 南光 美子 長谷川 明子 AKEMI HATA YOSHIKO NANKO AKIKO HASEGAWA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 = The scientific reports of the Kyoto Prefectural University. Natural science and living science (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63-71, 1986-11-15
被引用文献数
1

キュウリ, ナス, キャベツを用いて塩漬け及び糠漬けを行い, 漬け込み後経日的にpHの変化並びに無機成分の挙動を調べた。1.塩漬け, 糠漬けのいずれの場合も, 漬け材料, 糠床及び漬け汁ともに経日的にpHは低下した。2.塩漬けのキュウリ, ナス及びキャベツ中のNa含量は経日的に増加したが, キュウリ, キャベツ中のMg, Ca, K含量は減少するのに対し, ナス中では増加することが認められた。3.糠漬けのキュウリ, ナス及びキャベツ中のNa及びMg含量は増加し, Ca含量は減少した。また, ナス中のK含量は漸増したが, キュウリ, キャベツ中では減少する傾向が認められた。These studies were carried out to know the changes in mineral contents in cucumber, egg plant and cabbage as affected by soaking treatment. The vegetables were pickled using 5% or 2% salt and soaked in rice bran mash. The results obtained were as follows; 1. After soaking treatment, the pH values of vegetables, rice bran mash and eluted solution from vegetables were decreased during the soaking. 2. Sodium content in cucumber, egg plant and cabbage in salting was increased rapidly, and although magnesium, calcium and potassium contents in cucumber and cabbage were decreased, these elements contents in egg plant were contrary increased during the period of salting. 3. On the other hand, sodium, magnesium contents in cucumber, egg plant and cabbage soaked in rice bran mash were increased remarkably, but calcium content in them was decreased. In addition, potassium content in egg plant was increased sightly, but it was decreased in cucumber and cabbage during the soaking.
著者
大槻 耕三 河端 信 田口 邦子 KOZO OHTSUKI MAKOTO KAWABATA KUNIKO TAGUCHI
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 = The scientific reports of the Kyoto Prefectural University. Natural science and living science (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.21-25, 1976-11-30

納豆菌の菌体外セルラーゼを得るために各種液体培地で培養し, それらの滬液のCMCase活性を測定して検討した。その結果肉エキス, ペプトン, CMC, を含む培地で40℃2日間振盪培養すると最大の酵素活性を得ることができた。この酵素にはCMCaseだけでなくセルロース粉末分解活性も見られさらにキシラナーゼ活性がCMCase活性の約3倍も含まれることが明らかとなった。CMCase活性とキシラナーゼ活性とは今回は互いに分離することはできなかったがBio-Gel P-100によりそれぞれの比活性をかなり上昇させることができた。Cellulolytic activity was observed in the culture filtrate of Bacillus subtilis var. natto IFO 3335. The maximuin cellulolytic activity was obtained in the filtrate of two-days-cultured medium. This culture medium filtrate also contained an intense xylanase activity. The purification of these extracellular enzymes in the culture medium was tried by the gel chromatography of Bio-Gel P-100 and the specific activities of the enzymes was appreciably increased, although the isolation of the xylanase fraction from the cellulolytic activity fraction was not attained.
著者
畑 明美 饗庭 照美 南出 隆久 殿畑 操子 AKEMI HATA TERUMI AIBA TAKAHISA MINAMIDE MISAKO TONOHATA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.42, pp.p41-47, 1991-11

近年, 加熱調理機器類の発達はめざましく, 各種の熱エネルギーの異なる調理機器が利用されている。そこでガスエネルギー源として燃焼カロリーの異なる2種のコンロ(強火 : 4,100kcal/h・普通火 : 2,300kcal/h)を用いて水を媒体とした加熱操作を行ない両者について比較検討した。1.スパゲティを強火でゆでると普通火よりもゆで上り時間は短縮され食味も良好であった。これはゆであげ後の増重率が大であるにもかかわらず, めん幅が小でしまりのある状態にゆで上がっていることからも考察することができた。また, 一般的にパスタをゆでる場合は塩添加ゆでが指示されているが, デュラム小麦を原料とした場合その効果は明らかではなく火力の違いによる影響が大であると思われた。2.ジャガイモを各種の水量でゆでると, ゆで用水量が多い時, 内部温度の上昇速度は普通火よりも強火がより速くなった。そして普通火は水量が多いほどジャガイモは軟化が遅く各々の破断荷重の値は不均一になったが, 強火では水量が増えてもその多量の熱媒体となる水が更に強い熱媒体をつくり出し同じくらいの硬さになり均一となった。また組織の軟化に伴いゆで液中への溶出カリウム量と遊離アミノ酸量は強火のほうが多く溶出していた。なおこの報告の一部は平成2年日本家政学会関西支部, 第12回(通算68回)研究発表会で発表した。Recently, we have seen notable developments in cooking ranges, which are available in many types for some of heat energies. We examined to the physical and chemical changes in spaghetti and potatoes under the two different types of cooking ranges using gas energy (normel heating power : 2,300 kcal/h, strong heating power : 4,100 kcal/h). The results were as follows; (1) It was observed that when spaghetti was boiled with a strong heating power, the boiling time became shorter and the taste was better than those with a normal heating power. The spaghetti was also boiled up with a smaller diameter and a better elastic firmness in spite of the weight of spaghetti increasing. It was found that there were few effects of salts addition in boiling water and were some effects of heating power on the quality of spaghetti made from durum wheat flour. (2) When a comparison was made on boiling potatoes using 3,5,and 10 times volumes of water, the increasing of inner temperature of potatoes at the strong heating power became faster than the ones at the normal heating power. The volume of water was influences of potato texture and the large volume of water produced uneven texture of potato under the normal heating power. The elution of potassium and free amino acid from potato tissues into boiling water under the strong heating power were larger than the ones under the normal heating power.
著者
奥村 萬亀子 MAKIKO OKUMURA
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 = The scientific reports of the Kyoto Prefectural University. Natural science and living science (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.47・48, pp.25-33, 1996-12-25

丹波福知山地方に「ちょろけん」と呼ばれる手織の自家用織物がある。ところが「ちょろけん」とは江戸時代唐船や紅毛船により舶載され珍重された渡来裂であり, その名は早くに定着しているがその定義や使用例に不明な点が多い。この二つの裂の関係を「木目文様」を鍵として考察する。
著者
野口 栄子 EIKO NOGUCHI
出版者
京都府立大学学術布告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学・福祉学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.19, pp.77-81, 1968-10

福祉は現代においてもつとも人間性と密接な関連を有する観念といえるがそれは必ずしも明確な規定をもつていない。ここでは福祉を人間の主体性との関係において把握しようとする。自発的個性的な主体は, 現代においては実存的な相互連帯性の観点から受けとりなおされ, 再構成されなければならない。そのさい実存哲学がめさしている個人から社会への考方をとりいれつつ新しい見方が成立することが要請される。それは各主体が同一次元にあり, 共通の基盤から相補うもので, そこに福祉的人間の根拠があると考えられる。
著者
小林 久芳 村沢 忠司 HISAYOSHI KOBAYASHI TADASHI MURAZAWA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.37, pp.p81-90, 1986-11

パーソナルコンピュータを用いた家計管理の方法について, 家計簿記帳を中心に問題点とその解決方法についての考察を行った。また, 多くの家庭に対して家計簿の記録データを集計することにより, 消費動向に関する基礎資料が得られる点に着目し, そのために家計簿プログラムが備えるべき機能, 記録データの内部構造等について, 詳細な検討を行った。さらにコンピュータによる家計診断の可能性について, 一つの提案を行なった。
著者
南出 隆久 畑 明美 TAKAHISA MINAMIDE AKEMI HATA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.41, pp.p23-28, 1990-11

大豆の利用拡大を図る目的で, 極大粒種のオオツル, 普通黄大豆タマホマレ, 緑大豆井手町在来の3品種を用い, 枝豆としての収穫時期の判定と, 収穫後の品質変化について検討した。本実験で用いた大豆3品種とも一莢当りの種子数が1,2粒と枝豆用の品種に比べ少なく, また収穫までの生育日数も長くかかることがわかった。大豆の風味や品質に関与する還元糖, アミノ酸, アスコルビン酸は種子の成熟にしたがい減少した。しかし, 全糖は増加傾向にあった。大豆の莢の外観による収穫適期の判定には, CIEのa値が化学成分の変化と高い相関関係にあることがわかった。収穫後の品質保持には, 低温貯蔵が有効であるが, 井手町在来のように, 20℃貯蔵でも全糖, アミノ酸含量の減少が少ない品種のあることがわかった。
著者
南出 隆久 畑 明美 TAKAHISA MINAMIDE AKEMI HATA
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 = The scientific reports of the Kyoto Prefectural University. Natural science and living science (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.23-28, 1990-11-19

大豆の利用拡大を図る目的で, 極大粒種のオオツル, 普通黄大豆タマホマレ, 緑大豆井手町在来の3品種を用い, 枝豆としての収穫時期の判定と, 収穫後の品質変化について検討した。本実験で用いた大豆3品種とも一莢当りの種子数が1,2粒と枝豆用の品種に比べ少なく, また収穫までの生育日数も長くかかることがわかった。大豆の風味や品質に関与する還元糖, アミノ酸, アスコルビン酸は種子の成熟にしたがい減少した。しかし, 全糖は増加傾向にあった。大豆の莢の外観による収穫適期の判定には, CIEのa値が化学成分の変化と高い相関関係にあることがわかった。収穫後の品質保持には, 低温貯蔵が有効であるが, 井手町在来のように, 20℃貯蔵でも全糖, アミノ酸含量の減少が少ない品種のあることがわかった。
著者
坂田 一 HAZIME SAKATA
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学・福祉学 = The scientific reports of the Kyoto Prefectural University. Natural science, living science and welfare science (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.67-84, 1970-10-29

職場における作業動機の問題は古くて新しい。本研究は最近しきりに取りあげられているHerzbergの2要因理論の検証を主なねらいとして, 満足感・不満足感のカテゴリー別の整理から入ってゆき, 因子についてわが国の場合にどのような妥当性をもつかについてもとりあげてみた。そして生活態度や転職経験という, この問題と密接な関連をもつ側面からうかがうとともに, 話しあい活動を通じてその検討を行ない, 諸種の問題があることがわかった。次にこれらの結果にたって, 動機づけ・衛生両要因とのかかわりにおいて, 職務遂行のための管理体系を樹立してみたいと考え, 新しい展開を試みた。
著者
畑 明美 南光 美子 長谷川 明子 南出 隆久
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.35-41, 1988-11-18

京都府及び福井県産らっきょうを供試し, 試料重量の1%食塩を用いて1週間下漬を行った後, 食酢1ιに対して砂糖200gを添加した漬け酢を, らっきょう1kgにつき漬け酢1250mιの割合で本漬したものについて, ヘクチン及び無機成分の経時的変化を調査した。その結果, ヘクチン, 特に水溶性ヘクチン, 及び無機成分(Ca, Mg, K)は, 漬け日数の経過とともに減少した。次に, らっきょうのテクスチャー改善の試みとしてCaCl_2 (0.5,1,3%)を漬け酢に添加したところ, 総ヘクチン及び水溶性ヘクチン含量は増加し, また, 硬度も増大した。同様にMgCl_2を添加した結果, ヘクチン及びMgを除いた他の無機成分含量には大きな変化はみられなかったが, 硬度は多少増大した。
著者
南出 隆久 饗庭 照美 畑 明美
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.51-57, 1992-11-25
被引用文献数
2

枝豆のテクスチャーならびに色調におよぼす調理操作について, 緑大豆(品種 : 井手町在来)の未熟種子を用いて調べた。枝豆の破断曲線は, ゆで操作10分で生のものと明らかに異なり, 組織はもろさがなくなり粘着性を示した。また, 加熱操作として, ゆで操作, 蒸し操作, 電子レンジ操作をおこなったが, ゆで操作が枝豆のテクスチャーに好ましいことがわかった。1%食塩水や塩揉み等の食塩処理は, 枝豆のテクスチャーには明かな影響はみられなかった。枝豆の莢の緑色は子葉に比べ熱安定性は劣っていた。ゆで操作した枝豆は, 蒸し操作や電子レンジ操作に比べ緑色は安定していたが, 枝豆は食塩処理しても緑色にはそれはどの効果はみられなかった。これらの結果から, 枝豆として受け入れられる限界のテクスチャーと色調は, 破断荷重で0.7∿1.0kgf, CIEa^*値は-7.5∿-8.0を指標として比較できるものと考える。
著者
町田 玲子
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学・福祉学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.55-60, 1970-10-29

市街地高層住宅における洗濯物干場の問題が, 居住者の日常生活に大きな影響を及ぼしていると思われるにもかかわらず, 居住者の立場からは, ほとんど検討されていない現状である。そこで, 公団賃貸の場合の洗濯物干場の現状, 及び, 洗濯物等の乾燥方法の今後の方向について, 調査研究を行なった。その結果, 共同設備である屋上の共同物干場は, 雨風など自然による被害, または, 人為的な被害をうける心配が常にあり, 「便利である」とは, ほとんど思われていない。日光や風などによる自然乾燥にかわる方法として, 大型乾燥機の共同利用による方法に対する意識をみると, 「利用したいと思う」と答えたのは, 30%足らずであった。しかし, その賛成者層についてみると, 学歴が高くなるにつれて, 又, 家族人数が減少するにつれて増加し, 勤めている婦人の占める割合が, 最も高いことがわかった。
著者
日比野 朔郎
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.85-88, 1985-11-15

オリンピック大会参加競技者でない人達とくに大学生のこれらオリンピックに対する態度の傾向からオリンピックについて考察をした。巨大化につれて宜伝の良き場となり, 経済的機能が拡大された, さらに宜伝機能は政治の舞台ともしてしまった。競技する者の側から全く離れて一大イベントに変ってしまったのである。I.O.Cも競技者も, さらにオリンピックを見る側も, すべての人々がオリンピックについて考え直す時であろう。
著者
町田 玲子
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.69-78, 1985-11-15

家事労働の方向性を探るための一資料として, 家事労働合理化の一形態である共同化について, その歴史的背景を考察することを目的とする。おもに関東大震災以後昭和戦前を対象時期とし, 東京などの都市生活にみられる共同化についてとりあげた。方法は, 建築学, 家政学分野の専門書・学術雑誌, 当時の婦人層を対象とする一般書・月刊誌などの分折を行った。本稿の柱立ては次の通りである。1.緒言 2.震災以前にみられる家事労働の共同化事例 3.共同住宅居住にともなう家事労働の共同化 4.戦時中の家事労働の共同化-炊事を中心として- 5.まとめ