著者
高橋 康造 佐渡 一成
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.56-65, 2002-07-10
参考文献数
13

目的:老視に対するコンタクトレンズ(CL)として多数の累進多焦点(遠近両用)コンタクトレンズ(以下BFCL)が存在する.それぞれのBFCLに対し視機能検査を行い比較検討した.対象:順天堂大学医学部付属医院コンタクトレンズ科において老視対策としてBFCLを処方した120例(224眼),(男性17例女性103例・平均年齢51.7±8.5歳<40〜64歳>).方法:視機能検査として遠見・近見視力,コントラスト感度およびBFCL装用者による装用状況またその満足度を聴取し検討した.結果:BFCL全体の平均では遠見視力0.93±0.07近見視力0.78±0.15と良好であった.処方変更回数は1.46±0.45回.コントラスト感度は,中間周波数領域および高周波数領域での低下をどのBFCLにおいても認めた.視力は遠方・近方ともに比較的良好であった.結論:現状のBFCLは十分に日常生活に有用なレベルに達していると思われた.しかし,コントラスト感度の低下は否めなく,いわゆる鮮明さは単焦点CLあるいは眼鏡に比較し劣る.現在のところハード系BFCLではコントラスト感度の点では交代視型の方が有用な視機能が得られ,ソフト系BFCLは,照準線共軸型同時視型ソフトコンタクトレンズが良好な視機能を得られるようである.

言及状況

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コンタクトレンズの光学中心と瞳孔の位置は合わないのが普通で、遠近両用だとそのずれが問題になるらしい。この問題を解消するために照準線共軸型なんてのもあるとか。 CiNii 論文 - <原著>各種の累進多焦点(遠近両用)コンタクトレンズの臨床処方成績の検討 https://t.co/MldkfELr9a

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