著者
西澤 晃彦
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.248-260, 1990
被引用文献数
1 1

日本の大都市においては、旦雇い労働者が集まり仕事口を得る場、「寄せ場」が形成されている。そしてまた彼ら-「寄せ場労働者」は、都市社会において排除の対象とされている。この論文では、東京の寄せ場・山谷に集う寄せ場労働者の寄せ場における社会生活の記述が目指される。その際、彼らの社会あるいは「集まり」の状態を、寄せ場労働者の社会関係を規制する規範から生じた一つの「社会秩序」として把握を試みる。さらには、そのような社会秩序の下での寄せ場労働者相互の関係、そして寄せ場を取り巻く外部社会との関係の中で彼らが見いだすアイデンティティについて述べられる。即ち、居住集団としての寄せ場・山谷における道徳秩序とそこでの寄せ場労働者のアイテンティティの内容が、具体的な社会関係の諸相の解釈を通じて導き出されるのである。

言及状況

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「亡命」という表現について鶴見俊輔「亡命について」から示唆を得たと(註)。今度鶴見のマンガ論とかと一緒にそれが収録されている『思想の落し穴』も図書館へ借りにいこう。>西澤晃彦「寄せ場労働者の社会関係とアイデンティティ 東京・山谷地域を事例として」https://t.co/oVak7g5RNm

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