著者
石井 紘
出版者
東京大学
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.67-77, 1992

Anomalous uplift continues at the eastern part of the Izu peninsula. Temporal and spatial variations from 1980 to 1988 were studied in detail by ISHII (1989). In 1989 a submarine volcanic eruption occurred off the east coast of the uplift area. Vertical movements from 1980 to 1990 were studied by focusing on variation before and after the eruption.伊豆半島の隆起の時間・空間変動について1980年から1988年まで石井(1989)に報告されているが,同様の解析法を適用し,その後1990年までのデータを加えて時間的・空間的な特徴について調べた.特にこの期間は1989年7月13日に伊東沖の海底噴火が起こっており,前後の上下変動についても注目して調べた。積算隆起量の最大値は10年間で24cmに達した.隆起のピークの位置は解析期間の始めには内陸にあったが,その後,東側の海岸の富戸付近に移動して固定し, 1989年7月の海底噴火後は富戸より10km北の伊東付近に位置した.東海岸の隆起域における隆起の時間変化は一様ではなく時間的に変動しているが, 1987年頃から全点で加速し,海底噴火直前に噴火点に近いところのみさらに加速した.また噴火地点に近い海岸沿いの点における1年間の隆起量の時間変化を見ると噴火前に以前より大きくなり,その後停滞して噴火に至るというパターンを示した.解析期間中発生した群発地震は隆起のコンターのピークが東側の海岸の富戸付近にあるときに発生している.

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こんな論文どうですか? 伊東沖海底噴火前後の伊豆半島の特徴的上下変動(石井 紘),1992 http://id.CiNii.jp/BJjFL

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