著者
竹田 隆一 陳 民盛 黒須 憲 斎藤 浩二
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要 教育科学 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.441-451, 2001-02

要旨 : 中国武術は,戦争に勝つための格闘術だけが変化したものではなく,それ以外の多様な文化の影響を受け,現在の運動形態を形成したものである。このような中国武術の成立について,他領域の文化との融合に着目し,中国武術のもつ固有の文化的側面を考察した。 中国武術の構造は,表層,中間層,深層に三区分することができる。武術の中核となる表層は,武術の運動形態であり,そこには,功法運動,套路運動,格闘運動が含まれている。套路運動は,武術運動が芸術表現の中に取り入れられることにより形成され,後に実戦性が加わえられ成立したものである。また,格闘運動は,先秦時代の野蛮な闘争形態の蛮闘段階,秦漢唐宋時代の技術性を重視した功闘段階,明清時代の文化的遊戯性に満ちた太極推手を主流とした戯闘段階と経緯し,現在に至るものである。さらに,武術の運動形態は,主に身体の増強のために,伝統的運動文化である養生功法や雑技技法の訓練形態を参考にして成立したものである。 このように,中国武術には,芸術表現,養生功法,雑技技法などの多様な文化的側面が,融合されているのである。

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編集者: Bcxfu75k
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