著者
村井 貞彰
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要 農学 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.245-255, 1968-01

前報において水田に近接した雑草地は,いわゆる水田害虫の生息の場として水田とは密接不可分の関係があり,これら水田と雑草地相互間の虫の移動をつきとめることは,生態学的にも興味深いばかりでなく,害虫防除の面からも是非必要であることを強調した.そして先の1960年と1963年の調査結果から,水田では農薬散布の影響が強くあらわれ,雑草地にくらべて単純な群集構造を示しているが,農薬の散布回数や種類などによって年によって変化があることを推論し,さらに水田と雑草地の間を行き来する2,3のある種害虫では,水田への農薬投入によって水田での個体数は減少するが,時を同じくして雑草地では個体数に増加の傾向が認められ,加えて農薬効果の薄らいだ後は水田と雑草地とでは上とは全く反対の現象のおこることを指摘しておいた.本報では1965年と1966年における調査結果を述べ,先の結果と併せて吟味してみたいと思う.本稿を草するに当り, 日頃ご指導ご鞭撞をいただく阿部襄教授に感謝の意を表する.また調査水田の管理資料は附属農場の五十嵐弘教官からおかりしたので, ここに記してお礼を申し上げる.

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