著者
飯塚 一郎
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.795-801, 1969-03-20

冬季の温州みかんの落葉防止として葉面散水を行なうため,先ず葉の吸水について水温および界面活性剤添加との関係を調査した.実験結果の要約されたものは次のようである.1.温州みかんの切葉は乾湿いずれも浸水後10分間では急激に吸水を行ない,乾いた葉は湿った葉より急速に吸水を行なった.2.葉の上下面にワゼリンが塗布されたとき,葉の全面よりの吸水が最も高く,下面よりの吸水量は全面よりの吸水量と上面よりのそれの中間に位した.3.O℃~5℃の水温に浸された葉の吸水は殆んど行なわれなかったが,10℃~20℃の水温の吸水はかなり行なわれ,25℃で最高に達し,30℃ではかえって低下した.界面活性剤を添加された水は添加しない水より著しく吸収され,また温度上昇に伴って増加の傾向を示した.4.界面活性剤を添加された水は0.1%の濃度で最も早く吸収され,その吸水量は20℃で浸水後1時間で添加されない水の吸水量の約5倍であった.

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