著者
徳永 幹雄 上田 真寿美
出版者
九州大学健康科学センター
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.69-73, 2002

40才〜60才未満の女性541名を対象に,運動経験と更年期症状の関係及びテニス実施者,その他の運動 実施者,運動経験なし群の3群による更年期症状の関係を分析した。その結果は,以下のとおりである。 1.30歳代以降に運動経験がある者はない者よりも更年期症状が低かった。 2.運動経験がある者,とくに球技実施者(テニスやバレーボール実施者など)は,「いらだち」「頭痛」及び「心悸亢進」といった症状が低かった。 3.運動の継続が長い者ほど更年期症状が低い傾向であった。4.更年期症状の低かった者は,30歳代および40歳代〜閉経に「適度なきつさ」の運動を60分以 上,週に1〜4回程度している者が多かった。5.テニス実施者は他の種目を実施していた者や運動を実施していなかった者より更年期症状が低い 傾向にあった。とくに,「よくした者」より「まあまあした」と答えた中程度の実施者ほど更年期症状が低いことが明らかされた。 以上のことから,30歳代以降の運動経験は更年期症状の軽減に有効であり,その運動は無理のない程度で約1時間,週に2〜3回が適当であることから,テ ニスを無理なく行うことは更年期症状の軽減につながることが推察された。

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