著者
奥山 清子 花谷 香津世 板野 美佐子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.59-65, 1993

障害児と健常児がともに育ちあうことを目指す統合保育への関心が高まっている.今日では, 統合保育は重度化, 多様化している障害児にも及んできている.岡山市に設置されている障害児保育拠点園においても同様の傾向が認められている.このような障害児保育では, それぞれの成長を促すために, さまざまな試みがされている.障害児が保育園でどのような経過を辿って, 「友人を持ち, 育っていくのか」は大きな関心事であるといえる.そこで, 著者らは, 幼児にとって生活そのものである自由な遊び場面における障害児の対人行動を, VTRを用いて録画し, 7月, 11月, 3月の4か月ごとの変化を検討した.その結果, 障害児の対人行動を形態的に, 孤立的, 傍観的, 平行的, 集団的行動に大別すると, 孤立的行動が圧倒的に多く見られた.孤立的行動が多いのが, 障害児の特徴であったが, その中でも一人で動き回る単独行動がめだった.集団生活を重ねるにつれ, 単独行動から, 遊びへの関わりができるようになった.障害児が集団の遊びの中へ入ったのは, 保育者からの声掛け, 接触が契機になっていた.また, 孤立行動の頻度を障害の程度別に4歳児と5歳児を比較すると, 障害の程度によって, 孤立的行動の現れ方に違いが見られたが, 年齢による差はほとんど見られなかった.

言及状況

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障害児保育拠点園における障害児の対人関係〜PDFあり。健常者と障害児が一緒にいると障害児は孤立するか1人遊びになりがちだとの結論に。当たり前だろって突っ込んだが、その後はちゃんとフォローされていた。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110000479008

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