著者
笹野 友寿 塚原 貴子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.39-45, 1998

本研究の目的は, 神経症の主要な下位分類である解離性障害について, 大学生を対象にスクリーニングすることにある.対象は岡山県内にある短期大学の1年生57名で, 全員女性である.入学後2週目に解離性体験尺度(DES : DissociativeExperienceScale)を採点した.DES得点の基礎データは, 中央値1.94,平均値16.03,平均値の標準誤差1.94,歪度1.61,尖度5.82であった.DES得点が30点以下の者は57名中48名(84.2%)であったが, 適応レベルに問題は認められなかった.一方, DES得点が30点以上の者は57名中9名(15.8%)であったが, 適応レベルが良好でない者が含まれていた.この結果より, DESを用いたスクリーニングは, 大学生を対象とした精神保健活動にとって有用であると思われた.そして, DES得点が30点以上の場合は, 精神科医や臨床心理士などによる面接が望ましいと思われた.

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