著者
田林 明
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.437-460, 1994
被引用文献数
2 2

本報告では富山県東部の黒部川扇状地において, 1948年から1991年までの44年間にチューリップ球根栽培を行なったことのあるすべての農家を取り上げ,その分布変化から球根栽培地域の形成過程を明らかにし,さらに形成の諸条件を考察した.その結果, 1950年代にはいくつかの特定の集落から栽培が周辺に拡大し,そして1960年代以降再びその集落あるいは近辺に後退したことがわかった. 1950年代中頃までにチューリップ球根栽培が盛んになった地域が,現在でも核心となっている.また,球根栽培の分布域と,旧町村をいくつか統合した範囲が対応していた.チューリップ球根栽培地域の形成条件としては,気候や土:壌などの自然条件とともに,富山県花卉球根農業協同組合の役割,他の農業経営部門や農外就業との関係,先覚者や指導者,地域組織の存在,行政からの助成などが重要である.年齢や後継者の有無,技術水準など,栽培者の個人の属性も関係していた.

言及状況

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