著者
佐藤 大祐
出版者
公益社団法人日本地理学会
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.452-469, 2001-08-01
参考文献数
26
被引用文献数
3

海岸の観光地では,海浜別荘地や民宿地域などが大都市からの距離や利用者の社会階層などに応じて発達し,観光産業を基軸とした地域が形成された.その中にあって,近年マリーナの増大が顕著で,漁業などとの海域利用の競合が発生している.本研究では,東京を中心としたマリーナの立地と,マリーナ利用者の属性とレクリエーション行動を解明することを目的とした.1960年代に三浦半島の相模湾岸において別荘地帯の延長線上に開設されたマリーナは,充実した施設を併設している.この利用者は,東京都区部の西部に居住する高額所得者層から成り,夏季を中心にリゾートマンションなどに滞在して,沖合海域において大型のクルーザーヨットでのセーリングとモーターボートでのトローリングを,沿岸海域に密集する漁業活動とすみわけっっ行っている.一方,1973年の第1次オイルショック以降,東京湾において産業施設から転用されたマリーナは簡易な施設で構成されている.中産階級にも広がる利用者は,週末に日帰りし,波浪の静穏な東京湾内湾の中でも沿岸寄りの海域を小型モーターボートを使って行動することで,沖合の大型船の航路とすみわけている.,このようなマリーナとその海域利用の実態が明らかとなった.

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