著者
古川 智恵子 中田 明美
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.13-21, 1985-03-01

褌は本来表着であり,それを仕事着として受け継いでいるのが力士のまわしである.相撲の歴史は古く,わが国でも「古事記」等に記述が残っている.奈良・平安時代には天皇による節会相撲が行われ,武家時代は武士の心身の鍛練のために盛んであった.江戸時代には力士が職業となり,勧進相撲が行われ,明治末期に風俗や規則が確立されて今日に至っている.初期のまわしは,まわしと化粧まわしの区別がなく,平安時代には白い麻の犢鼻褌,武家時代は白と茜の麻であったが,江戸時代に力士が職業となると,素材として最高の絹が用いられるようになる.そして,デモンストレーション用として豪華な化粧まわしが分離するのである.また,紐衣の呪性も残され,特に横綱の衣装は前面を化粧まおしや横綱,四手等によって,後面は魂を結びこめた綱や化粧まわしの結びによって,幾重にも悪霊から身を守っている.一方,それはまた,力と地位を示すための最高の飾りでもある.以上のように,力士のまわしは形こそシンプルではあるが,紐衣の呪術性,褌の装飾性と機能性,結びの魂等,さまざまな要素が集約された最小にして最高の衣である.最後に,本研究にあたり貴重な資料の写真撮影をさせて頂き,また懇切な御助言を頂きました相撲博物館の方々および,力士の方々に深く感謝申し上げます.

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こんな論文どうですか? 衣の系譜に関する研究 : (第2報)力士のまわしについて(古川 智恵子ほか),1985 https://t.co/btHa8TRqx0
こちらか゛参考になると思います http://t.co/51AS3BFCos 浮世絵等だと現在型の廻しらしきのも描かれてるので江戸末期辺りに完成? この絵なんかが過渡期の形態なんでしょうかね http://t.co/0bEAI7irpb RT @SHOOTWRESTLING1:
衣の系譜に関する研究 : (第1報)褌の系譜とその機能性 http://t.co/SwDHQGjbmQ (第2報)力士のまわしについて http://t.co/2xZEN6Vbnm (第3報)腰巻の系譜について http://t.co/ki266ThFQd
こんな論文どうですか? 衣の系譜に関する研究 : (第2報)力士のまわしについて(古川智恵子ほか),1985 http://id.CiNii.jp/EATuL

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