著者
緒方 あゆみ
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.283-296, 2003-03

研究ノート平成5年に制定された「障害者基本法」の第2条が、「この法律において『障害者』とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう」と規定していることから、精神障害者も他の障害者と同等に扱われるようになった。次いで、平成 7年に制定された「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健福祉法)により、精神障害者にも医療と福祉の両方のサービスが提供されるようになった。しかし、現状は、しばしば指摘されるように、精神保健福祉の歴史の浅さに加え、長年の精神障害(者)への偏見や差別から、精神障害者の社会復帰支援に関する施策は他の障害者のそれに比べて遅れているといわれる。では、その実態はどうか。本稿では、精神障害者の自立生活支援及び就労支援施策を含めた社会復帰支援施策について、わが国および地方自治体レベルではどのような施策が現在展開されているのかの問題に焦点を合わせ、わが国の精神医療の歴史、現行の精神保健福祉法の内容、地方自治体(京都市)が現在行っている施策等を研究し、最後に、京都市内の精神障害者共同作業所への実態調査の集計結果から、精神障害者の社会復帰支援の現状と課題について考えていきたい。

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緒方 あゆみ「精神障害者の社会復帰支施策の現状と課題 : 京都市における実態調査研究を中心に」 http://t.co/gX2z08KdO3

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