著者
武田 武長
出版者
山梨英和大学
雑誌
山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-15, 1996-12-10

戦後日本のキ-スト教にとって、克服しなければならない過去、清算しなければならない過去-それも日本のキリスト者にとって特別な最も深刻な過去とは何かを考えることは、いぜんとして根本問題である。これは、その日本のキリスト教の根本問題を、戦時下のドイツのキリスト教との同時代史的な比較をとおして、天皇制とのかかわりで明らかにしようとしたものである。戦後五十一年の今あらためて日本のキリスト教の過去を真攣にふりかえるならば、戦時下におかされたその罪が単に戦争協力という程度のものではなかったことは明らかである。それは、「国民儀礼」という名のもとに天皇教儀礼を受け入れ、神と並べて「天皇」と「皇国」を置いた罪、その実は「天皇」と「皇国」を神の御座の上に置いた偶像礼拝の罪であった。これは日本のキリスト教にとってまことに深刻な過去である。本来は、この過去の克服をぬきにして戦後の日本のキリスト教の再出発はありえなかったはずである。それはキリスト教会についてばかりでなく、キリスト教系学校についても妥当することなのである。

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