- 著者
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斎藤 信平
- 出版者
- 山梨英和大学
- 雑誌
- 山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, pp.80-68, 2001-02-28
英国の風景庭園は理想的風景画家、クロード・ロランやニコラ・プッサンらの影響を受けて発展していった、というのが大方の見方である。しかし、理想的風景画が英国に持ち込まれた時期にはすでに、初期の風景庭園の実験的な試みが始まっていた。更に風景画に霊感を感じて風景庭園を造ったという説明では、当時のイギリス人の空間認識を十分には言い表わしてはいない。本論では、特に理想的風景画における遠近法の空間処理に焦点を合わせ、当時のイギリス貴族がどのような経過から庭園の塀を飛び越し、自然と一体になるという認識のなかで、理想的風景画の美意識を造園における美意識へと転換し利用するに至ったかを、特に18世紀初頭を一つの転換点として捕らえることで論じた。