著者
斎藤 信平
出版者
山梨英和大学
雑誌
山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.128-115, 1995-12-10

本論でほ<焦点化>理論の大まかな変遷、物語論者による<焦点化>理論の違いを考察した。トドロフ、ジュネット、パル、リモソ-ケナン、チャットマン、オニールなどを扱い、各々の体系における<焦点化>と<語り手>の問題を取り上げた。一つの尺度としてヘミングウェイの「殺し屋」を取り上げ、各々の理論に当てはめて分析することにより各々の<焦点化>理論における相違点を洗い出すことと、「殺し屋」そのものの<物語言説>についての考察をした。
著者
斎藤 信平
出版者
山梨英和大学
雑誌
山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.80-68, 2001-02-28

英国の風景庭園は理想的風景画家、クロード・ロランやニコラ・プッサンらの影響を受けて発展していった、というのが大方の見方である。しかし、理想的風景画が英国に持ち込まれた時期にはすでに、初期の風景庭園の実験的な試みが始まっていた。更に風景画に霊感を感じて風景庭園を造ったという説明では、当時のイギリス人の空間認識を十分には言い表わしてはいない。本論では、特に理想的風景画における遠近法の空間処理に焦点を合わせ、当時のイギリス貴族がどのような経過から庭園の塀を飛び越し、自然と一体になるという認識のなかで、理想的風景画の美意識を造園における美意識へと転換し利用するに至ったかを、特に18世紀初頭を一つの転換点として捕らえることで論じた。
著者
斎藤 信平
出版者
山梨英和大学
雑誌
山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.76-59, 2002-03-01

本研究ノートは、十八世紀の英国における独自の美意識の確立とその変遷を研究するために、大まかにその流れを辿ったものである。十八世紀の英国は、その歴史上初めて独自の文化形態を作り上げ、次にその文化を輸出した時期であることは間違いない。この英国独自の文化とはどのようなものであり、またどのような経緯で形成され、大陸に影響を与えるまでになったのか。文化の受容から発信へいかに変化していったのか。このようなテーマのもとにこのノートは作成された。
著者
斎藤 信平
出版者
山梨英和大学
雑誌
山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.70-60, 1998-12-10

本研究は、まず、十七世紀ロンドンにおけるコヴェント・ガーデン・ピアッツァの成立過程を考察し、その後ピアッツァの形式が継承されない理由を、清教徒革命に絡む美意識の変化として捕える。次に、ブルームズベリー・スクエアーの開発を、庭園史の中における「芝」の持つ意味と関係づけ、「スクエアー」開発における方位の問題を考察する。