- 著者
-
川崎 道子
- 出版者
- 沖縄県立看護大学
- 雑誌
- 沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, pp.1-8, 2001-02
本研究の目的は、基本健康診査の結果、「血圧」要医療と判定された者の生活習慣と HBM に基づく高血圧に対する認識等の関連要因を明らかにすることである。 U市の平成8年度基本健康診査受診者で「血圧」要医療と判定された314人に訪問面接調査を行った。主な内容は、生活習慣、高血圧に関する認識、健康に関する情報への関心、市の保健事業への参加、基本属性である。回収率は81.4%(256人)で、その中で分析対象者は定期受診し、自己申告による服薬治療の指示のあった201人である。本研究の対象者は、禁煙、節酒、運動、減塩の実施率は、他の報告と比較して高率であったが、休養は低率であった。好ましい生活習慣の実施項目数を上位群、下位群に分けて分析を行った結果、収入の伴う職業有りの割合は下位群が上位群と比較して高かった。健康情報への関心度は、テレビの健康番組を見る、新聞の健康記事を読む割合は上位群が下位群と比べて高かった。市の保健事業への参加では、基本健康診査を毎年受診する割合は上位群が下位群と比べて高かった。高血圧に関する認識では下位群の者は高血圧に関する保健行動を実行する上での障害の認識得点が高かった。 以上のことから、高血圧要医療者の生活習慣実施の関連要因として、収入の伴う職業あり、テレビ、新聞の健康情報への関心、基本健康診査を毎年受診する、高血圧に関する保健行動を実行する上での障害の認識が確認された。今後は、高血圧に関する認識を加味した保健指導の必要性ならびに基本健康診査未受診者に対して積極的にアプローチすることの重要性が示唆された。