著者
宮崎 照雄 太田 早紀
出版者
三重大学生物資源学部
雑誌
三重大学生物資源学部紀要 (ISSN:09150471)
巻号頁・発行日
no.29, pp.21-30, 2002-11

養殖ヒラメに発生したリンホシスチス細胞(LCC)の微細構造を観察した。若いLCCは既に厚い硝子状被膜を持って肥大しており、細胞質にはウイルス合成の場(AS)、粗面小胞体、リボゾーム、ミトコンドリアがよく発達し、細胞質の樹状の突起が被膜内に伸張していた。ASは顆粒状のinclusion zoneと基質部から構成され、inclusion zone表面でウイルス粒子が合成されていた。大きく肥大したLCCの核周囲の細胞質内ではASが崩壊し、ウイルス粒子(250-300nm)は結晶配列を示していた。細胞辺縁部では、多数のウイルス粒子を含むASは明瞭であるが、微小器官の多くは変性していた。

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