著者
吉永 誠吾 森 恭子 横山 洋子
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育実践研究
巻号頁・発行日
vol.15, pp.101-105, 1998-02-27

筆者らは生演奏によって子供達に音楽の本当の美しさを感じてほしいとの願いから,音楽鑑賞教室を開催してきており,その概要についてはすでに報告した.ところで音楽の効能が科学的にも証明されつつある昨今,筆者らのコンサート活動は各方面から依頼を受けつつあり,その数も少しずつではあるが増えつつある.これはクラシック音楽を多くの人々に好きになってもらいたいと願う筆者らにとって大変喜ばしいことである.その中でも特に印象に残っているものは、長期療養中の子供達のためのコンサートや,障害児とその保護者のために聞いたコンサートである.障害児といえば,通常のコンサートを聴く機会など,一生涯を通じてまずないといっていいであろう.従って,ただ一度のこの機会は,私たち音楽家の役割というものが大変大きなものであるということを強く認識させられたものであった.そこで本稿では既に報告した小,中学校以外の活動の概要について報告し,これからの課題についても考えたい.

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