著者
宮田 仁
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.14, pp.134-137, 1998-08-03

本研究では,グループでの協調的な問題解決を行う場合に,情報の共有を支援するメディアの違いが問題解決の過程や方略に及ぼす影響を検討した。具体的には大学生を対象として,グループによる問題解決の課題を与えた。その際,対面により情報カードを利用して解決するグループ,対面により口頭での討論のみで解決するグループ,対面せずパソコン通信のリアルタイムチャット(文字による討論)で解決するグループを設定し,比較分析した。その結果,解決に要した時間では,口頭討論<情報カード<チャットの順で長くなった。グループ内での協調的な発言や態度は,チャット<情報カード<口頭討論の順で多く確認でき,解決方略もそれぞれの群で異なった特徴が認められた。この結果は,情報の共有を支援するメディアの違いが,解決への異なる作業空間をデザインし,学習に影響を及ぼすことを示唆していると解釈できる。

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