著者
山本 利一 本郷 健 本村 猛能 齋藤 実 永井 克昇 石田 祐輝
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.31, pp.170-173, 2015-08-29

本研究は,初等中等教育におけるプログラミング教育の必要性や学習効果について国の政策や先行研究を整理することである。また,発達段階に応じた指導内容や,論理的思考力など様々な表現方法を身に付けるための指導過程を検討する際に活用できる基本的知見を整理することである。
著者
沖 裕貴 林 徳治
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.15, pp.52-55, 1999-11-11
被引用文献数
1 1

仮想現実との接触によって, 青少年に「健全な心身の発達に対して危惧される影」の影響が懸念される。本稿では, そのうち, 「性的問題行動の増大」に関して, コンピュータによるポルノ・ゲームの影響を他のメディアと比較検討した。その結果, ポルノ・ゲームは, 他のホラー・ビデオ, ポルノ・コミック, ポルノ・ビデオと同様, 青少年の性犯罪や性的逸脱行為に対する罪悪感を減少させる傾向が見られた。また, その刺激性は, ポルノ・ビデオやポルノ・コミックに及ばないものの, そのメディアに接触する際の後ろめたさは, 他のメディアに比べて少なくなる傾向が見られた。さらに, ポルノ・ゲーム特有の問題点として, 「登場人物を好きになる」「現実の異性に興味を失う」「登場人物が実在する気がする」などの気分が指摘され, 筆者独自の質問紙調査でも, テレビ・ビデオ・メディアに比べて, 実体験との混同や現実からの逃避などの傾向が有意に高く表れた。またコンピュータ・ゲームでは, 年齢と現実の異性への興味との間に全く相関が見られず, 仮想体験の影響が長期に及ぶ可能性も示唆している。
著者
武田 正則
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.17-28, 2012-03-30

学校教育をめぐる状況は大きく変化し,学校のみで教育課題全体を解決していくことには限りがある.そのため,学校・家庭・地域等の連携と協働が従来に増して求められ,教育目標の達成のために「協働の仕組みづくり」が課題となっている.本稿では「協働の仕組みづくり」を念頭に置き,子どもらに授業を通じて「参画と協働」を理解させるために参画型協働学習に焦点をあて,学習ファシリテーションの理論的背景を究明する.その方法として,知識創造・参画・協働に関する理論から場の形態(個人知・集団知・組織知),場の能力(知力・参力・協力),場の拡大(情報通信技術による参入)を考察した.結論として,学習ファシリテーションとは問題解決のためのマネジメントデザインと協働促進のためのコミュニケーションデザインの両面を担う学習方法であること,その指導においては5つのファシリテーションスキル(学びの場のデザイン・対人関係・構造化・合意形成・情報共有化)が必要になることを明らかにした.
著者
山本 利一 本郷 健 本村 猛能 永井 克昇
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.3-12, 2016 (Released:2017-02-10)
参考文献数
31

本研究は,プログラミング教育に関する教育的意義やその効果を先行研究から整理し,今後それらを推進するための基本的な知見を得ることを目的とする.そのために,初等中等教育におけるプログラミング教育の位置づけを学習指導要領で確認した後,先行研究を整理した.その結果,プログラミング教育の教育的意義や学習効果は,①新たなものを生み出したり,難しいものに挑戦しようとする探究力,②アルゴリズム的思考,論理的思考力,③物事や自己の知識に関する理解力,④自分の考えや感情が発信できる表現力や説得力,⑤知恵を共有したり他者の理解や協力して物事を進めたりする力,⑥プログラミングを通して情報的なものの見方や考え方を身に付けることができる,ことであることが示された.
著者
宮田 仁 大隅 紀和 林 徳治
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.3-13, 1997-03-31

Logoによるプログラミングの学習で伸長した問題解決能力が, プログラミング以外の他の状況に転移するかという問題を, 指導方法との関係で分析した. その結果, 間題解決のプロセスを重視したアプローチでプログラミングを指導した場合, 間題解決能力の転移が起こりやすいことが「ハノイの塔問題」という解析的課題において実証された. プロセスを重視したアプローチでは, (1)構造化されたワークシート, (2)メタ認知を促進する教育的介入方法, (3)社会的状況場面で学習者がリフレクト(内省)できる学習環境の準備が必要であり, 具体的方法としてメタ認知促進カード(Metacognitive Prompt Card)をペア学習で使用した.
著者
谷口 知司 三宅 茜巳 興戸 律子 有薗 格
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.17-24, 2006-06-01

終戦直後文部省は,占領軍総司令部のもとで戦時下教育の一掃に力を注いでいた.占領軍総司令部は,アメリカの教育専門家をスタッフとしてその目的のために民間情報教育局(The Civil Information and Education Section:略称CIE)を置いた.木田先生は,昭和21年に文部省に入省された.この時期に若手文部官僚として教科書局調査課に在籍し,CIEスタッフとともに社会科特別教科書『民主主義(上)(下)』の編集に係わった.この教科書は昭和23年から24年にかけて発行され,昭和28年頃まで使われ,戦後の民主主義教育に大きな役割を果たした.本稿では,木田宏先生の二編のオーラルヒストリーをもとに,木田先生と教科書「民主主義(上)(下)」との係わりについて,執筆の経緯,教科書に漫画を掲載したこと,執筆者について,大江健三郎のこと,共産主義の取り扱いの各項目で考察した.
著者
長尾 順子 三宅 茜巳
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.25, pp.338-339, 2009-08-22

新しい学習指導要領では、伝統・文化が重要な教育課題として位置づけられている。しかし、理数教育、外国語教育のように、教育課題が組織的・計画的に学校教育の中に組み込まれているわけではない。また、各教科や行事で用いられる伝統文化活動は、教科の授業、体育祭等の学校行事の中において単独で扱われ、各教科と行事の相互関連での位置づけがされていない。本論では、地域の伝統文化のデジタル・アーカイブ化とその教材利用の課題について教科間の相互関係を意識しつつ、考察した。
著者
三宅 茜巳 持田 宗周
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.22, pp.226-227, 2006-08-26

演劇文化のデジタル・アーカイブを開発する上で課題となる,資料の価値判断,記録方法,著作権の処理,データ・ベースによる資料管理,オーラル・ヒストリー型提示方法,デジタル・アーカイブの利用,評価と改善に関し,デジタル・アーキビスト養成プログラムでの実践例を報告する.
著者
宮浦 崇 西出 崇
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.25, pp.322-323, 2009-08-22

立命館大学政策科学部では,学部教育を支援するオンラインツールとして,「政策科学部SNS」と呼ばれる,学部公式のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を2007年度より実験的に導入し,現在,本格的に活用を進めている.このようなオンラインツールは,一般に情報共有の利便性の向上や,双方向のコミュニケーションの促進といった点で注目される.しかし,SNS導入のメリットはこれだけにとどまらない. (1)情報リテラシー涵養の場, (2)コミュニケーションと情報共有の広がり, (3)情報の蓄積の3つの利点が明らかになってきた.ここでは,これまでの運用をふまえて,これらの利点について考えてみる.
著者
林 知己夫
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.6-10, 1986-03-31 (Released:2017-06-17)

コンピュータを教育の場に持ちこむ問題を考える場合、二つにことが考えられる。一つは教育に関する情報処理(データベースを含む)のためにコンピュータを活用することであり、もう一つは、初中等教育の段階でコンピュータ教育を実際に行う場合である。前者は当然用いるべきであるが、後者に対しては慎重に考察する必要がある。なぜならば、コンピュータ教育そのものが、望ましい科学的精神の発達に悪影響を与える可能性があるからである。従って、コンピュータ教育のあり方を研究する前に、コンピュータ教育の与える影響の研究が先行すべきで、これを踏まえた上で、コンピュータ教育の諸問題を研究するのが望ましいという主旨が論じられている。
著者
菅井 勝雄
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.16-22, 1987-06-30 (Released:2017-06-17)
参考文献数
9

今日、情報化社会の進も中で、コンピュータが学校教育に入り、それとともに授業が変ろうとしている。そこで、本稿では、心理学における「行動的モデル」から「認知的モデル」への科学のパラダイム変換によって、これまでの伝統的な「教師→学習者伝達モデル」から、新たな「学習環境モデル」への授業モデルの移行が、理論的な観点から検討される。あわせて、情報技術と理論モデルとの密接な関係が示される。
著者
本村 猛能 森山 潤 山本 利一 角 和博 工藤 雄司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.29, pp.310-311, 2013-11-09

本研究は諸外国の中学校,高等学校学習過程における生徒の「自己評価による意識調査」の診断を通して,情報教育の体系化とその学習内容を検討することを目的とする。対象国は,日本と中国,韓国,他の調査により比較検討した。このとき,文科相の評価の観点と併せてブルームの「認知・精神運動・情意」領域の評価の観点とペレグリーノの評価理論も取り入れた。その結果,情報教育の体系化についての認知度や「情報の科学的理解」について韓国が最も有意に高く,イメージは技能習得から知識へと推移している。我が国の情報教育のカリキュラムは,生徒の発達段階に応じた基礎的・基本的な知識の習得をはかる教授法と実習(技能)を取り入れたカリキュラムを検討する必要性があることが示唆された
著者
加藤 由樹 加藤 尚吾 千田 国広
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.5-12, 2011-10-20
被引用文献数
1

本研究では,携帯メールで相手に返信をするタイミングについて,大学生224名を対象に調査を行った.具体的には,相手から4種類の感情(喜び,悲しみ,怒り,罪悪)を伝えるメッセージが携帯メールで届いた場面において,それぞれの返信までに間をあけるかどうかの程度を,彼らに6段階で評定するように求めた.また,その理由についても回答を求めた.その結果,4種類の感情場面のそれぞれにおいて,場面に合わせて相手の感情や自分自身の感情を操作するために返信のタイミングを工夫していることがわかった.その一方で,返信のタイミングの工夫と感情の操作に関する捉え方には個人差があることもわかった.
著者
藤本 光司 照田 昇 葛 崎偉 林 徳治
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.274-275, 2011-08-20

京都市立洛陽工業高等学校(以下,R工業高)に新設された創造技術科の創造探求科目「創造基礎」の授業に,7名の教員チームを組織し取り組んでいる.本授業は,1年生5クラスを対象に週1回100分(2限)の設定で,設計製図や工具・工作機械の扱い方など,ものづくりの基礎学習を通じて製作実習に取り組む一方,これら一連の学習過程でコミュニケーション演習やチームビルディング演習を随時設定している.社会人基礎力の育成をめざした教育プログラム設定は,学習者の主体性を重視し能動的に活動できるアクティブラーニングの教育手法(授業のしかけ)が重要と考える.本稿では,この授業の取組を報告する.
著者
椿 美智子 小林 高広 久保田 一樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.15-27, 2010-03-25

品質を改善するために,様々な分野で伝統的にPDCAサイクルが用いられており,さらにスピードが要求される現代においては,チェックから始めるCAPDサイクルによって質・効率を上げる場合があることが示され始めている.一方で現在,教育問題においても学習の質・効率を非常に求めるようになってきている.本研究では,学習型PDCAあるいはCAPDサイクルを用いることによって,自分で学習テーマを決め,目標を決め,自分の実力を考慮した上で,目標にどのようにしたら近づくかの方法論を考えており,この構造が効率よく実力を伸ばすことに効果を上げている.本研究では,この効率よく伸びるサイクルとは,どのようなサイクルかを詳細に分析した成果を示している.
著者
水島 賢太郎
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.48-57, 1989-10-31

今日、ソロバンを電卓と同種の計算道具であるという見方に立ったソロバン教育は、あまり意義が無いと思われる。しかし、ソロバンの主たる機能をメモリー(記憶装置)とみれば、コンピュータの概念およびプログラミング指導へのソロバン利用の可能性が生まれる。この立場からソロバンとコンピュータ教育について考察した。その考察に当たっては、情報と教育について原点に立つという意味で、認知科学的視点を取り入れた。
著者
山本 利一 大関 拓也 五百井 俊宏
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.23-29, 2008
被引用文献数
2

rights: 日本教育情報学会rights: 本文データは学協会の許諾に基づきCiNiiから複製したものであるrelation: IsVersionOf: http://ci.nii.ac.jp/naid/110007123453/本研究は,学習内容や学習の進め方をコンピュータを活用して整理し,生徒自身が見通しを持った学習計画を立案する授業実践報告である.「ロボット製作」を題材として,学習すべき項目の検討,作業計画など,コンピュータを活用してマインドマップを作成・修正する授業展開である.実験授業の結果,計画設計能力,思考整理能力の向上が見られた.また,生徒は,マインドマップやそれらを描くソフトウェアに対して興味・関心が高く,他の分野への転移の可能性があることも確認できた.
著者
服部 晃
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.31-36, 2006-06-01

現在,わが国の地方教育行政は,政治的中立性と継続性・安定性を確保して地域住民の意向を反映するために,地方公共団体の長から独立した合議制の執行機関である教育委員会により行われている.第二次世界大戦の終戦後に設置されたこの制度は,60年を経過して時代の進展と社会の変化から多くの課題を生み,その制度の在り方について様々な指摘を受けている.戦後の地方教育行政の組織について,設置当時の時代背景や経緯を昨日の出来事のように生々しく語られた「木田宏先生のオーラルヒストリー」から,地方教育行政の今日的課題に対する方策と,教育委員会制度の在り方を考える貴重な資料を,教育行政実践者の立場から提示する.
著者
加藤 尚吾 加藤 由樹 島峯 ゆり 柳沢 昌義
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.47-55, 2008-12-05
被引用文献数
3

本稿では,携帯メールコミュニケーションにおける顔文字の機能について,コミュニケーションの相手との親しさの程度による影響を調べるため,女子大学生32名を被験者にした実験を行った.結果から,親しい間柄に対して送信した携帯メールで顔文字を使用する場合,顔文字以外の文字数が減る傾向が示された.また,相手に謝罪する場面で親しい間柄に送信した携帯メールでは,親しくない間柄に比べて,言葉で表された謝罪が有意に少なく,顔文字が謝罪の言葉に代替される傾向(メール本文代替機能)が示唆された.更に,親しい間柄に送信した携帯メールでは,親しくない間柄に比べてより多くの種類の顔文字を使う傾向(感情表現機能)が見られた.
著者
水島 賢太郎
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.5, pp.7-10, 1989-08

ソロバンを実用的レベルで取扱うには相当量の訓練が必要であり、電卓が一般化した今日、学校教育におけるソロバン教育は不必要であるという見方がある。この見方は、ソロバンを電卓と同種の計算道具であるという常識的見方に立つ限り的を得ている。しかし、ソロバンの主たる機能をメモリー(記憶装置)と見れば、コンピュータの概念およびプログラミング指導へのソロバン利用の可能性が生れ、最低限度のソロバンの学習は意味を持つ。本稿は、この立場からソロバンを用いたコンピュータ・リテラシィについて考察した。