著者
宮田 仁 大隅 紀和 林 徳治
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.3-13, 1997

Logoによるプログラミングの学習で伸長した問題解決能力が, プログラミング以外の他の状況に転移するかという問題を, 指導方法との関係で分析した. その結果, 間題解決のプロセスを重視したアプローチでプログラミングを指導した場合, 間題解決能力の転移が起こりやすいことが「ハノイの塔問題」という解析的課題において実証された. プロセスを重視したアプローチでは, (1)構造化されたワークシート, (2)メタ認知を促進する教育的介入方法, (3)社会的状況場面で学習者がリフレクト(内省)できる学習環境の準備が必要であり, 具体的方法としてメタ認知促進カード(Metacognitive Prompt Card)をペア学習で使用した.
著者
宮田 仁 石原 一彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.167-172, 2001-08-20
参考文献数
4
被引用文献数
7

小学生を対象として「インターネットで, こんなページが出てきたら, 君ならどうする?」をテーマに, 各児童が7つのWebページを閲覧し, その中に埋め込まれた情報モラルや問題点に関してワークシートに記入しディスカッションを行った.その結果, 学習前には, 個人情報の保護や情報発信の留意点, うわさや誤情報への対処方法, 電子掲示板での中傷への対処が, 今回の調査対象者の小学生では対応が不十分であったが, 指導後, 正しい知識や正しい対処法を回答できた.また, 学習展開を分析した結果, 情報モラルに関する対処的なルールの指導ではなく, それらのルールの意味を正しく理解し, 新たな場面でも正しい行動, 自分の身を守れるような行動がとれるような指導展開が有効であることが明確となった.
著者
宮田 仁
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.160-163, 2005-08-20

宮田が2002年に開発した携帯電話対応コメントカードデータベースシステムを応用し, 愛知万博の中米パビリオンで来館者対象の携帯電話対応パビリオン展示評価システムを構築し, 実施した。中米7ヶ国のパビリオン関係者に日本のモバイル先端技術を提供するとともに, 来館者に混雑したパビリオンでの待ち時間や移動時間にアンケートに回答できるユビキタス環境を提供した。その結果, 毎日来館者約1, 000名から回答が寄せられ, その評価得点や意見をもとにパビリオン展示を具体的に改善し, 改善点が来館者から歓迎されたことを確認できた。来館者による本システムの評価も良好であった。
著者
西堀 二郎 太田 容次 石部 和人 木村 政秀 辻野 賢治 宮田 仁
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.94-95, 2005

本研究は、コミュニケーションを行う上で、場面理解が困難で相手の感情の理解が乏しい児童に対しての支援、今後の方策を構想していくための研究である。具体的には、日常の学級生活の中で友達を作ることが余り得意ではなく、仲良くなりたいという気持ちがあるのだが、うまくコミュニケーションがとれないでいる児童に対してどのような支援が可能か考え、いかにして学級経営を行うかを考えていこうとするものである。最終、その児童が適切に状況を判断して、コミュニケーションがとれる能力を育成していくことを目標に支援を考え、実践を行う。さらに実践していくなかで見つかった課題について、今後どのような手立てが必要かつ有効かを考え今後の構想として発表、提案を行うものである。
著者
宮田 仁
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.14, pp.134-137, 1998-08-03

本研究では,グループでの協調的な問題解決を行う場合に,情報の共有を支援するメディアの違いが問題解決の過程や方略に及ぼす影響を検討した。具体的には大学生を対象として,グループによる問題解決の課題を与えた。その際,対面により情報カードを利用して解決するグループ,対面により口頭での討論のみで解決するグループ,対面せずパソコン通信のリアルタイムチャット(文字による討論)で解決するグループを設定し,比較分析した。その結果,解決に要した時間では,口頭討論<情報カード<チャットの順で長くなった。グループ内での協調的な発言や態度は,チャット<情報カード<口頭討論の順で多く確認でき,解決方略もそれぞれの群で異なった特徴が認められた。この結果は,情報の共有を支援するメディアの違いが,解決への異なる作業空間をデザインし,学習に影響を及ぼすことを示唆していると解釈できる。
著者
宮田 仁美
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

TLR4は、最近肝線維化に関与していることが示され、水腎症モデルマウスにおける腎線維化にも関与しているのではないかと仮定し研究をすすめた。野生型、欠損、低発現マウスに分けて、片側尿管結紮にて水腎症マウスを誘導し血行動態的な変化、ならびに組織学的、分子生物学的な変化について比較を行った。欠損マウスならび低発現マウスにおいては、線維化の進行が有為に遅れたがその作用は早期に限られた。
著者
宮田 仁
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.15, pp.42-45, 1999

本研究は, 総合的な学習の時間を支える情報活用の実践力を育成するための教材を設計し開発することが目的である。その第2報として, 米国Vanderbilt大学Learning Technology Centerが提唱したアンカー教授法を紹介するとともに, アンカー教授法に基づいたProblem-oriented教材の開発と試行の概要を報告する。日常の問題解決場面に近い文脈で, 多階層の問題解決課題を, 本教材の中に設定し, 教育実践で試行した結果, 算数のスキルの高低にかかわらず, 児童の興味・関心は持続し, 多階層問題中の下位問題の発見と, 使用できる条件(情報)の活用に効果があることが実証された。
著者
宮田 仁 井上 毅 三宮 真智子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は,小学生,中学生,高校生を対象として,論理的思考力を育成する考え方学習を取り入れたWebベースの情報安全教育学習教材を開発し,学習者用ワークシート,教師用ガイドブックを作成することである。指導項目の中から,(1)著作権の尊重,(2)個人情報の保護,(3)ネットワーク利用上のエチケット,(4)セキュリティの遵守,(5)サイバーセイフティに関するWeb教材を開発した。小学校12校,中学校10校,高等学校5校で開発したweb教材の授業実践を行った結果,本Web教材の有効性が認められた。
著者
宮田 仁
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.165-168, 2006

筆者が2002年に開発した携帯電話対応コメントカードシステムを応用し,愛知万博の中米パビリオンで来館者対象の携帯電話対応万博パビリオン展示評価システムを構築し,実施した.中米7ヶ国のパビリオン関係者に日本のモバイル先端技術を提供するとともに,来館者に混雑したパビリオンでの待ち時間や移動時間にアンケートに回答できるモバイル環境を提供した.その結果,毎日来館者約1,000名から回答が寄せられ,その評価得点や意見をもとにパビリオン展示を具体的に改善し,改善点が来館者から歓迎されたことを確認できた.来館者による本システムの評価も良好であった.
著者
宮田 仁
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.173-176, 2008
被引用文献数
2

筆者は受講者が所持している携帯電話に対応したコメントカードシステムを開発し,2002年より4年間,大学での多人数講義で活用してきた.教員が発問をし,受講者が各自の携帯電話からコメントカードシステムの携帯サイトに接続し,課題に対する自分の意見や質問を送信する.受講者からの意見や質問はテーマごとに整理され,リアルタイムで大講義室の液晶大画面に映し出される.その意見や質問を教員が講義中に取り上げながら,講義を展開していくアプローチを行ってきた.今回,そのシステムを機能強化し,カメラ付き携帯電話で撮影した写真にタイトルやコメントをつけ送信すれば,SQLサーバ側で自動的に写真データベース化できるシステムを開発した.受講者はユビキタスな学習環境で自分や他者のコメント付き写真をキーワード検索・抽出・閲覧できるようになった.本システムを多人数講義で活用した結果,受講者間での意見交換や視点の交換が促進され,知識共有をめざした多人数講義を支援できる可能性が示唆された.
著者
宮田 仁
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.22, pp.56-59, 2006-08-26

筆者は受講者が所持している携帯電話(i-mode,vodafone,ez-web)に対応したコメントカードシステムを開発し,2002年より4年間,大学での多人数講義で活用してきた。教員が発問をし,受講者が各自の携帯電話からコメントカードシステムの携帯サイトに接続し,課題に対する自分の意見や質問を送信する。受講者からの意見や質問はテーマごとに整理され,リアルタイムで大講義室の液晶大画面に映し出される。その意見や質問を教員が講義中に取り上げながら,講義を展開していくアプローチを行ってきた。今回,そのシステムを機能強化し,カメラ付き携帯電話で撮影した画像にタイトルやコメントをつけ送信すれば,SQLサーバ側で自動的に画像データベース化できるシステムを開発した。受講者はユビキタスな学習環境で自分や他者のコメント付き画像をキーワード検索・抽出・閲覧できるようになった。本システムを多人数講義で活用した結果,受講者間での意見交換や視点の交換が促進され,知識共有をめざした多人数講義を支援できる可能性が示唆された。
著者
宮田 仁 鈴木 真理子 赤松 辰彦 深堀 康子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.27-36, 2008-12-05

中学生・高校生を対象として携帯電話を活用した月観察支援プロジェクトを実施した.携帯電話で使用できる「月観察支援システム」を開発し,学習者が野外で月を観察し,その観察データを各自が携帯電話からサーバへ送信し,サーバ上で自動的に観察記録をデータベース化して,各学習者が全員の観察記録を共有し,議論できるCSCL (Computer Supported Collaborative Learning)機能も実装している.今回の試行実践への参加者は少人数であったが,実践の結果,参加した生徒は手軽に野外での月の観察記録を携帯電話から送信することができ,自然観察に対する興味・関心,態度・意欲が向上したと考えられる.また,自分や他者の観察記録をWebデータベース上で共有し,議論した結果,月の見え方に関する「月は夜にしか見えない」や「月の出る時刻はいつも同じである」という生徒のもつ誤った素朴概念を転換させるきっかけを生徒に与えたと推察される.
著者
宮田 仁
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.11-19, 2002-12-31
被引用文献数
8

受講者が所持している携帯電話(i-mode,J-Sky,EZWeb)やPDAに対応したコメントカードシステムを開発した.大学での多人数講義において,教官が課題テーマの提示や発問をし,受講者が各自の携帯電話からコメントカードシステムの携帯電話サイトに接続し,課題に対する自分の意見や質問を送信できるシステムである.受講者からの回答や質問をテーマやキーワードを元に整理し,リアルタイムで大講義室の液晶プロジェクタに映し出すデータベース機能を有している.受講者から携帯電話を通して書き込まれた意見や質問等のコメントを講義者が本システムを活用し,検索・抽出して講義中に取り上げながら,講義を展開していくアプローチを行った.その結果,多人数講義においても,テーマに対する各受講者の活発な意見や質問等の書き込みがあり,ディスカッションが活性化するとともに,授業コミュニケーションの改善が図れた.また,携帯電話対応の本システムのユーザーインタフェースや有用性に関しても利用者から高い評価を得た.