著者
武 智広 積木 久明 篠田 一孝 吉田 敏治
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.177-182, 1994
被引用文献数
1

発育段階の異なるアズキゾウムシを用いて過冷却点,体重,炭水化物含量,低温下での生存に及ぼす低温順化の影響について調べた。<br>1) 低温順化により幼虫,蛹の低温での生存期間が延長した。幼虫の高齢のものほど顕著であった。<br>2) 幼虫,蛹,成虫の過冷却点はいずれも-20&deg;Cより低かったことから,アズキゾウムシは一時的にかなりの低温に耐えられると考えられる。<br>3) 幼虫,蛹で低温順化開始後グルコース,トレハロースといった糖の蓄積がみられたが,過冷却点はほぼ一定であった。また,低温順化後,0&deg;Cに置かれた幼虫で糖やグリコーゲン含量の減少がみられた。<br>4) 低温順化後,最も長く0&deg;Cで生存したのは15日齢幼虫,次いで7日齢幼虫であった。それら幼虫の生存日数は最長で35日と20日であった。<br>5) 以上の結果から,グリコーゲンや糖の蓄積が多かった老齢幼虫が越冬に適していると考えられる。

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