著者
守田 康太郎 村越 望 西堀 栄三郎
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.823-829, 1961-01

雪原からの蒸発量の測定は一般には甚だむつかしい.降雪や飛雪の影響,および蒸発計の影響が大きいからである.西堀は,昭和基地第一次越冬中に,これらの影響から免れて雪面蒸発量を測定する方法を考案し,村越が実際の観測を行った.その方法は,積雪から雪のブロックを正立方形にきりとって空中に吊し,その重量変化を測定するというのである.特殊の条件下においては,その重量変化から,ただちに単位表面からの蒸発量を算出することができる.その条件は,(a)雪ブロックから融雪水の滴下が起らぬこと,(b)雪ブロックに降雪や飛雪が附着しないこと,(c)ブロックの外形が相似を保ったまま変化すること,(d)ブロックの密度変化が無視し得ること等である.昭和基地においてはこれらの条件はほぼ満されており,得られた結果はソビエト隊による推測値と比較しても,大体妥当な値と考えられる.気象要素との関係について,飽差と風の函数としてあらわされることが分った.

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 南極における雪面蒸発量測定の試み(気象部門)(<特集>南極シンポジウム)(守田康太郎ほか),1961 http://id.CiNii.jp/EuHvL

収集済み URL リスト