著者
森重 敏子 青山 よしの 堀 洋子 金子 小千枝
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.247-252, 1981-12-20
被引用文献数
1 5

9色の着色あめ玉のうちから年令、性別、居住地等の異なる調査対象1835名に1種を選択させ、同時にその選択理由を記入させ、色彩嗜好傾向を調べた。1.学令別色彩嗜好傾向には有意の差が認められた(χ^2=368.414, P<0.001)。低学令ほど各色の嗜好率に大差を示し(幼稚園、小学生では赤、青に片寄った嗜好を示す)、学令が進むに従って各色の嗜好率の差が減少し、特に大学生では色彩嗜好の多様化が認められた。各色の学令別の嗜好傾向は、低学令で有意に多く好まれる色(赤、青)、高学令で有意に多く好まれる色(黒、無色、ひき茶)、学令による差のない色(橙、緑、紫)の3群に分けられるようである。2.男女別では、女子は赤、橙、男子では青、緑、黒、紫で嗜好率が有意に高い。しかしこの男女差は低学令ほど顕著で、赤、橙は幼稚園、小学生で女子の嗜好率が著しく高い為であり、青、黒は幼稚園、小学生の男子の高率による。3.季節差では、夏に青、冬に黒がそれぞれ有意に多く嗜好された。地域別では、都市で赤が、農村では黄が有意に好まれた。4.選択理由は、総計では"色と味"が有意に多く、次いで"色"、"味"、"色と感覚"の順に選んでいる。低学令ほど、また男子より女子に"色"で選んだものが多く、大学生、また男子の方に"味"で選んだものが多い。橙、黒、ひき茶は"味"で他の色は"色"で選ぶ傾向にあった。

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