著者
塩田 教子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.247-252, 1984-12-20
被引用文献数
4

ミートボールについて, 水とデンプンの添加量を変えて, その適量を求めた。試料の官能特性値と機器測定による物性値から, 水とデンプンの効果を最小自乗分散分析した。また, 両測定値間を重回帰分析し, 肉調理品のテクスチャーとして重要な因子と考えられる「やわらかさ」の測定法を検討した。さらに組織と官能特性値の関係を光顕と電顕によって調べた。1) 挽き肉に, 水とデンプンの添加は, 単独で利用するより, 併用する方が, ミートボールを, よりやわらかく, 水っぽく, きめ細かくし, 好ましいものとした。2) 最小自乗分散分析によるミートボールの水とデンプンの要因効果は, 極めて高いことが示された。3) 重回帰分析から, ミートボールの物性を測定した機器の測定値の内容が, 確認された。そして針入度とレオメーター測定値で, ミートボールの物性の全変量の大部分が推定されることがわかった。また, 得られた推定式は, いずれも有意(P<0.01〜0.05)な回帰性が得られた。4) 組織と官能特性値の関係は, 光顕では, PAS染色により, ミートボール中のP.S.やW.F.は, 15%加水することによって, デンプンの多くが, 膨潤, 糊化し, 変形破壊しているのが観察された。電顕においては, このデンプンの変形破壊が, 流動的な粘りを形成しているように観察された。そして, その組織の変化が, テクスチャーに影響するものと思われた。

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