著者
殿塚 婦美子 谷 武子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.14-19, 1995-02-20
被引用文献数
3

ブラウンルーの別法として, 油脂を用いず小麦粉を天板に入れ, 天火で焙焼する(以下焙り粉と略す)方法の焙焼条件の標準化を目的として, 焙焼条件の異なる焙り粉を調整し, 焙り粉の客観的指標, 天火設定温度と焙焼時間および焙り粉希釈加熱液(ソース)の煮込み時間について検討した。その結果, 次のことが明らかになった。1. 焙り粉の焙焼による色の変化は, 設定温度により異なり, 焙焼温度と時間の管理が重要であった。2. 焙り粉の色は, きな粉や米ぬかの色と似ており, 客観的指標は, 小麦粉(未加熱)に対する色差は31~36であった。3. 官能検査の結果から, 焙り粉の焙焼条件, すなわち天火設定温度と焙焼時間は180℃(120分), 190℃(60分), 200℃(45分)が適当であった。なかでも190℃(60分)は最も評価が高く, 品質管理, 作業能率の面からも最適と考える。4. 焙り粉希釈加熱液(ソース)の煮込み時間は, いずれの焙焼条件の焙り粉においても, 120分間に比べ, 5分間が有意に好まれた。5. 設定温度180℃(120分), 190℃(60分), 200℃(45分)で調整した焙り粉のみかけの粘土は, 類似であり, 煮込み時間による変化もわずかであった。6. 焙り粉の嗜好は, ブラウンルーに比肩した。

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