- 著者
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本間 恵美
平光 美津子
尾木 千恵美
片桐 晶子
鷲見 孝子
遠藤 仁子
中村 年子
- 出版者
- 東海学院大学・東海女子短期大学
- 雑誌
- 東海女子短期大学紀要 (ISSN:02863170)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, pp.21-32, 1992
(1) 利用頻度は「1週間に1〜2回」が、市販そうざいでは23.6%、調理済み食品では38.9%であり、調理済み食品の方が高かった。市販そうざいの利用頻度は、年代別では20歳代、就業状態別では専業主婦が高かった。調理済み食品については年代別、就業状態別いずれも、差はみられなかった。 (2) 利用する理由は「作る時間的ゆとりなし」が最も多く、市販そうざいは56.0%、調理済み食品は50.7%であった。 (3) 利用する目的は、市販そうざいでは「もう一品足したい」が53.0%、調理済み食品では「弁当を作る」が60.0%と最も多かった。 (4) 購入時の留意点については、市販そうざい、調理済み食品のいずれも、「製造年月日」「賞味期限」「食品添加物」の順であった。 (5) 利用法としては、市販そうざいでは「加熱する」が39.4%と多く、調理済み食品では「もうひと手間かける」49.3%と多かった。 (6) 市販そうざい38食品の食品別購入状況について、「手作りはせず全て購入する」は、うなぎのかば焼き、中華まん類が著しく多く、「購入しない」食品は、白飯、卵焼き、その他であった。また、寿司、お好み焼き、サンドイッチ、赤飯・おこわは、若い人ほど購入割合が高かった。年代別に比較すると、「購入する」割合は、20歳代の方が30歳代・40歳代よりも高かった。就業状態別、家族構成別では、それぞれあまり差は見られなかった。 (7) 調理済み食品27食品の食品別購入状況について、「手作りはせず全て購入する」は、中華まん類、シューマイ、ピザパイ、ラーメンの順に多かった。「購入しない」は、白飯、シチュー、ぞうすい、どんぶり物の具の順に多かった。年代別にみると、20歳代がよく利用しており、就業状態別、家族構成別については差が見られなかった。 (8) 個人別利用状況を点数化して判定した結果では、市販そうざいの平均は61.5±12.2点であった。点数の低い者の利用しない理由は、「味が好みに合わない」「添加物が気になる」であり、点数の高い者の利用する理由は、「調理することがめんどう」「作る時間的ゆとりなし」であった。調理済み食品の平均は46.7±9.5点であった。最低点の者は、市販そうざいも最低点であった。点数の高い者の利用する理由は、「作る時間的ゆとりなし」「家族が好む」であった。 (9) 市販そうざいと調理済み食品の両方で調査した食品(10種類)の利用度の平均は、市販そうざいが18.6±6.5点、調理済み食品は18.5±5.4点で、両者に差はなかった。市販そうざいと調理済み食品の利用度には相関関係がみられた。点数の低い者は、食品添加物を気にして手作りをしようと心がけ、点数の高い者は製造年月日や賞味期限を気にしながらも、味や簡便性から市販食品を利用していた。 (10) 夕食作りに要する時間と、市販食品の利用頻度とは関連はなかったが、上手な利用法とは関連がみられた。