著者
中村 年子 遠藤 仁子 本間 恵美 平光 美津子 尾木 千恵美 片桐 晶子 鷲見 孝子 松尾 良克
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子短期大学紀要 (ISSN:02863170)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.75-84, 1989-03-31
被引用文献数
1

1)漬け物を漬けている世帯は全体の80.8%であり,地域別では農村が最も多かった。高齢者のいる家庭では,いない家庭より漬けている比率が高かった。2)漬ける漬け物の種類は,塩漬けが78%と圧倒的に多く,ついで梅漬けであった。1世帯で漬ける漬け物の種類数は1〜3種類が過半数を占め,5種類以上漬ける家庭も33.8%あった。3)塩漬けにする食品は,きゅうり,白菜が最も多く,何れも60%以上の家庭で漬けられていた。漬けておく期間は1〜2日が71.4%と短期間のものが多く,長期間のものは僅かであった。4)梅漬けは毎年必ず漬ける家庭が60%前後あり,土用干しをする大梅・小梅が圧倒的に多かった。各年齢層別に梅を漬ける人の比率をみると61〜65歳が75.0%で最も高かった。高齢者がいる家庭のうち約70%は梅を漬けており,高齢者のいない家庭よりその比率が高かった。1回に漬ける梅の分量は,大梅・小梅ともに1〜4kgが多かった。塩分濃度は大梅・小梅(土用干し)とも,平均が約17%であり,塩分濃度の低いもの程焼酎を併用するものが多かった。5)漬け物を購入する家庭は全世帯の89.1%であり,漬ける・漬けないにかかわらず,ほとんどの家庭が購入していた。購入する漬け物の種類は,たくあん漬けが最も多く,ついで野菜類の塩漬け,福神漬け,梅干しの順であった。6)食事に漬け物が「必ず出る」は自宅で漬ける家庭では67.1%,漬けない家庭では31.2%であり,漬けているかいないかによって,その差が顕著であった。高齢者のいる家庭では,「必ず出る」が66.7%で,高齢者のいる家庭の方が漬け物が食事に出る頻度が高かった。7)漬け物の嗜好については「好き」と答えたものがほとんどであり,「嫌い」は僅かであった。年齢別では31歳以上はその70〜80%のものが「好き」で,30歳以下との差が顕著であった。8)食べる頻度は「毎日必ず食べる」と「1日1回以上食べる」とで全体の半数を占め,「全く食べない」は僅かであった。嗜好別では「好き」と答えたものは「毎食必ず食べる」41.8%,「1日1回以上食べる」32.5%で,好きでないものより圧倒的によく食べている。即席漬けにしょう油をかけるものが約70%あった。
著者
本間 恵美 平光 美津子 尾木 千恵美 片桐 晶子 鷲見 孝子 遠藤 仁子 中村 年子
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子短期大学紀要 (ISSN:02863170)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.21-32, 1992

(1) 利用頻度は「1週間に1〜2回」が、市販そうざいでは23.6%、調理済み食品では38.9%であり、調理済み食品の方が高かった。市販そうざいの利用頻度は、年代別では20歳代、就業状態別では専業主婦が高かった。調理済み食品については年代別、就業状態別いずれも、差はみられなかった。 (2) 利用する理由は「作る時間的ゆとりなし」が最も多く、市販そうざいは56.0%、調理済み食品は50.7%であった。 (3) 利用する目的は、市販そうざいでは「もう一品足したい」が53.0%、調理済み食品では「弁当を作る」が60.0%と最も多かった。 (4) 購入時の留意点については、市販そうざい、調理済み食品のいずれも、「製造年月日」「賞味期限」「食品添加物」の順であった。 (5) 利用法としては、市販そうざいでは「加熱する」が39.4%と多く、調理済み食品では「もうひと手間かける」49.3%と多かった。 (6) 市販そうざい38食品の食品別購入状況について、「手作りはせず全て購入する」は、うなぎのかば焼き、中華まん類が著しく多く、「購入しない」食品は、白飯、卵焼き、その他であった。また、寿司、お好み焼き、サンドイッチ、赤飯・おこわは、若い人ほど購入割合が高かった。年代別に比較すると、「購入する」割合は、20歳代の方が30歳代・40歳代よりも高かった。就業状態別、家族構成別では、それぞれあまり差は見られなかった。 (7) 調理済み食品27食品の食品別購入状況について、「手作りはせず全て購入する」は、中華まん類、シューマイ、ピザパイ、ラーメンの順に多かった。「購入しない」は、白飯、シチュー、ぞうすい、どんぶり物の具の順に多かった。年代別にみると、20歳代がよく利用しており、就業状態別、家族構成別については差が見られなかった。 (8) 個人別利用状況を点数化して判定した結果では、市販そうざいの平均は61.5±12.2点であった。点数の低い者の利用しない理由は、「味が好みに合わない」「添加物が気になる」であり、点数の高い者の利用する理由は、「調理することがめんどう」「作る時間的ゆとりなし」であった。調理済み食品の平均は46.7±9.5点であった。最低点の者は、市販そうざいも最低点であった。点数の高い者の利用する理由は、「作る時間的ゆとりなし」「家族が好む」であった。 (9) 市販そうざいと調理済み食品の両方で調査した食品(10種類)の利用度の平均は、市販そうざいが18.6±6.5点、調理済み食品は18.5±5.4点で、両者に差はなかった。市販そうざいと調理済み食品の利用度には相関関係がみられた。点数の低い者は、食品添加物を気にして手作りをしようと心がけ、点数の高い者は製造年月日や賞味期限を気にしながらも、味や簡便性から市販食品を利用していた。 (10) 夕食作りに要する時間と、市販食品の利用頻度とは関連はなかったが、上手な利用法とは関連がみられた。