著者
土屋 貴志
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.125-129, 1994

オーストラリアの哲学者ピーター・シンガーは選好功利主義に立って、重い障害をもつ新生児の安楽死を擁護するが、この主張はドイツ語圏の人々に、ナチスの「安楽死」の苦い記憶を想起させることになった。シンガーを招いたシンポジウムは障害者を中心とする広汎な抗議行動のために軒並み中止に追い込まれ、ドイツのマスコミはシンガーを「ファシスト」呼ばわりした。攻撃はさらに生命倫理学や応用倫理学、果ては分析哲学全般にまで飛び火し、これらの分野の研究者は学問的生命すら危ぶまれている。日本国内にも、バイオエシックスを弱者を切り捨て生命操作を押し進めるためのイデオロギーとみなす見方が一部にある。「シンガー事件」は、バイオエシックスの本質と意義を再考し、今後の日本の生命倫理学のあり方を考える上で、看過できない重大な問題を提起している。

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@do4gata1baka や、だからドイツではナチスの同類とみなされて激励に抗議されてますよ。シンガーが参加するというだけで抗議が殺到してシンポジウムが開けなかったくらい。 https://t.co/fpdiUS50Sf
→ なのに「人間はどうか」。「公平に」考えるなら「人間も同様に扱われること」が「正しい」。 …倫理学的には間違っていない、このおぞましい「正しさ」によって、動物解放論はナチスと同一視されたのです↓ https://t.co/fpdiUS50Sf
@sekaowa888888 @7aI1dnQIDf2Q1vQ https://t.co/fpdiUS50Sf お言葉ですが、ドイツでナチスを想起させると過去大問題になったのは、そちら側(種差別や動物倫理を主張する側)ですので。あまりホロコーストと連呼してはブーメランになりますよ。では。
まあ苗野氏やこの方みたいな勘違いヴィーガンの主張とは逆に、本場のドイツでは、彼ら彼女らの教科書的存在であるピーター・シンガーこそがナチスと同一視されて、激烈に批判されてますからね。 https://t.co/fpdiUS50Sf 論文データベースから、きちんと証拠↑挙げちゃう、大人げない私w https://t.co/9t1GYJKEte

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