著者
池田 光男 久住 亜津沙 小浜 朋子 篠田 博之
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.113-124, 2003-06-01
被引用文献数
24

高齢者の視覚をシミュレートし、若齢者が高齢者の見る世界を体験するために開発された白内障擬似体験ゴーグルを取り上げ、色票がどのように見えるかを3種類の実験によって検討した。このゴーグルはかずみと色の2種類のフィルターから構成されている。実験1は、ゴーグルありとなしで同じ色に見える色票対の決定であるが、彩度の高い色票はゴーグル着用によって彩度が落ちることが示された。実験2は、JIS標準色票のシートの上でその色の領域を決定するもので、ゴーグルありでは全ての色において色領域が狭くなることが示された。実験3は、無彩色の参照刺激と同じ明るさになる色票の輝度を測定するもので、ゴーグルありでは、なしより高い輝度が必要であることが示された。以上の実験結果で共通して示されたことは、全ての色票において見えの彩度が低下することであったが、その原因は、かすみフィルターによって環境からの白色光が眼内に入り、色票の網膜像の上にかぶさることと推測した。それを確かめる混色実験をし、環境光の照度を上げると色票の彩度は全ての色票において低下することを示した。

言及状況

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こんな論文どうですか? 白内障擬似体験ゴーグルによる色票の見えの変化(池田 光男ほか),2003 http://t.co/b7mAqFRII2
こんな論文どうですか? 白内障擬似体験ゴーグルによる色票の見えの変化(池田 光男ほか),2003 http://t.co/0848Msp3

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