2 0 0 0 OA 生理光学

著者
池田 光男
出版者
公益社団法人 応用物理学会分科会 日本光学会
雑誌
光学 (ISSN:03896625)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.29-36, 1972-02-25 (Released:2010-03-15)
被引用文献数
1
著者
田中 義博 酒井 靖彦 近江谷 尚紀 清野 晃孝 池田 光男 早坂 正博 高橋 健二 田島 篤治
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.991-1009, 1985-10-01
被引用文献数
8

医療の向上,社会福祉の増強とともに高齢化社会が出現しdenture wearerが非常に増える傾向にあるこのなかにあって,高齢者の適切な摂食作業を呼び起こすために,食品の物理的な性質の研究は重要な課題である。特に老人特有の無気力化の防止に咀嚼,いわゆる食行動,摂食作業は日常生活のなかで大きな役割をはたしているものと考える。このような考えから,われわれは,摂食時における総合的な咀嚼研究の展開をめざしているが,今回は基礎的研究として多極食品の咬合破断時の状態を口腔外装置を使用して荷重量-変位量によって捕捉した。
著者
池田 光男 小浜 朋子 久住 亜津沙 篠田 博之
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.26-35, 2004-03-01
被引用文献数
5

白内障手術を69歳で受けた筆者の一人を被験者として、物の見え方、携帯電話の見え方、および色の見え方を手術前後で検討した。手術前の物の見え方は、たとえば人の顔が判別できないとか、文章中の文字に分からないものがあるとか、あるいはグレアが嫌であるとかの不具合がはっきり経験された。携帯電話については手術前は画面が明るすぎる、画面のなかの区分けがはっきりしないなどの不具合があったが、手術後にはそれらは消滅した。色の見え方については手術後に青色の物体が目立つとか新鮮とかの驚きはあるが、手術前の不具合としては自覚しなかった。しかし光覚感については手術前はそれが高く、照度レベルの低いところで黒っぽい色つきの物体の色が見えないという不具合が経験された。つぎに色の見え方に関する3つの実験を行った。白内障の左眼と眼内レンズの入った右眼とで同じ色に見える白票の決定、JIS標草色票のシートで同じ色に見える全領域の決定、N8の参照刺激と同じ明るさに見える白票の輝度の測定である。いずれの実験でも白内障の眼では彩度が低下することが示唆された。また白内障眼による見えの色は、明るいところでは、青系が大きく黄方向へ、黄系はわずかに青方向へ移勤し、暗いところでは黄系が大きく青方向へ、青系はわずかに黄方向へ移動した。しかしいずれにおいても赤や緑方向への移動は見られなかった。

1 0 0 0 OA 生理光学 (2)

著者
池田 光男
出版者
公益社団法人 応用物理学会分科会 日本光学会
雑誌
光学 (ISSN:03896625)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.96-100, 1972-04-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
3
著者
池田 光男 篠田 博之
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

人間は3次元空間に生きているから、3次元空間の認識が最重要な大脳の機能であるといえる。しかしよく考えてみると外界の情報はまず網膜で取り入れられるが、外界の網膜像は2次元像になってしまっている。次元ダウンである。大脳はしたがって2次元網膜像を受け取った後それを3次元空間に戻さなければならない。次元アップである。これが通常の大脳機能と考えられる。さて壁に掛けられた絵画を人間が見た場合、その網膜像は2次元像である。上記の論で言えばこれは直ちに3次元空間として認識されるはずである。しかし実際はそうではなく、2次元画像はやはり2次元画像としてしか認識できない。何故か。それは次元アップ機能は絵画が掛けられている空間の方に使われてしまったからである。そこでその空間情報を排除して絵画だけを網膜にインプットすると大脳は当然それを次元アップし、絵画は3次元空間として認識されるはずである。このことをまず大きさの恒常性を利用して証明した。遠方に比叡山が見える場所で写真を撮り、比叡山だけ大きさをいろいろに修正し、実際に見た比叡山の大きさと同じと思う写真を被験者に選ばせた。実際より大きな比叡山の写真を選んだ。つぎに次元アップゴーグルを使用して写真のみが見えるようにして同じ判定をすると修正無しのものを選んだ。写真が次元アップされて大きさの恒常性が働いたと考えればよい。つぎに、夜景の写真を次元アップゴーグルで観測し、光源色に見える明度を測定すると、10以下となった。やはり次元アップがされたので真っ白の物体以下の明度ですでに光源色になったと考えればよい。最後に、ネッカーキューブを次元アップゴーグルで被験者に観測させ、テスト刺激の明度判定を行わせた。次元アップされ3次元の立方体を認識したときのみ現れる明度に被験者は設定した。以上のように、2次元画像でもそれのみを網膜に入力すると、大脳は自動的に3次元空間に変換したことを証明することができた。
著者
池田 光男
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.23, no.11, pp.894-903, 1969-11-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
29
著者
池田 光男
出版者
繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.P633-P639, 1991-11-10 (Released:2008-11-28)
参考文献数
5
著者
池田 光男 芦澤 昌子
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.140-147, 1993-01-01
被引用文献数
6

夜間の交通事故の一つの原因として, 歩行者がドライヴァーにとって見えにくいということがある。そこで目立つ色を歩行者の衣服に採用するという観点から目立つ色を検討し, マンセル色相で8Rが明るいところで目立ち, 8BGが暗いところで目立つことを明らかにしてきた。その応用として両者を配置した衣服も提案した。ところでこれらの実験では被験者は視線を自由に動かしてよいという条件であった。しかし交通の実際の場面では, ドライヴァーはむしろ周辺視野でまず対象物を捉えるという状況にあるので, 周辺視野での色の目立ちを知る必要があると考えられる。そこで本研究は刺激色票を中心から視角で10度, 20度, 30度, 35度の4位置に呈示し目立ち得点を測定した。刺激色票は12種類, 測定した照度レベルは0.01 lXから1000 lxにかけての6段階である。その結果, 明るいところでは赤系の色が目立つ, 逆に青系は目立たない, 暗いところでは青系が目立ち, 赤系は目立たないという以前の結果を確認したが, 視野周辺に刺激を呈示しても明るいところで赤系の色がやや得点を減らす被験者があるとはいうものの, 概して呈示視野位置の影響はないことが明らかになった。
著者
池田 光男 久住 亜津沙 小浜 朋子 篠田 博之
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.113-124, 2003-06-01
被引用文献数
24

高齢者の視覚をシミュレートし、若齢者が高齢者の見る世界を体験するために開発された白内障擬似体験ゴーグルを取り上げ、色票がどのように見えるかを3種類の実験によって検討した。このゴーグルはかずみと色の2種類のフィルターから構成されている。実験1は、ゴーグルありとなしで同じ色に見える色票対の決定であるが、彩度の高い色票はゴーグル着用によって彩度が落ちることが示された。実験2は、JIS標準色票のシートの上でその色の領域を決定するもので、ゴーグルありでは全ての色において色領域が狭くなることが示された。実験3は、無彩色の参照刺激と同じ明るさになる色票の輝度を測定するもので、ゴーグルありでは、なしより高い輝度が必要であることが示された。以上の実験結果で共通して示されたことは、全ての色票において見えの彩度が低下することであったが、その原因は、かすみフィルターによって環境からの白色光が眼内に入り、色票の網膜像の上にかぶさることと推測した。それを確かめる混色実験をし、環境光の照度を上げると色票の彩度は全ての色票において低下することを示した。
著者
池田 光男 石田 泰一郎
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1991

本研究は、人間の視覚情報処理の観点から防災標識を検討し、より防災力の高い視覚情報を探索するものである。研究は色の効果に着目した一連の実験と、実際の標識の探索特性を調べた実験により構成される。1.色情報の効果:標識が人の注意を引くための重要な要因は色である。そこでまず、注意を引く色を、被験者の注視点の移動を指標として調べた。これより、マンセル色票8Rのような赤系の色は視点が向きやすく注意を引くが、8BGなどの青系はあまり注意を引かないという結果を得た。次に、視野周辺で標識を捉えることが、標識検出の第一歩であることを考え、視野周辺部での色の目立ちを測定した。その結果、明所視では、視野周辺部においても、相対的には赤系の色が目立つなど、視野中心部での目立ちの結果と同じ傾向となった。さらに、標識を光源色として見えるようにすれば、周囲の物体色と区別できる。そこで、物体表面をどのくらいの輝度、あるいは照度にすれば、それが光源色として見え始めるかを、様々な条件で調べた。その結果、高彩度・高明度の色は、光源色になりやすいことが明らかになった。2.実際の非常口標識の探索:地下街や駅構内を取り上げ、そこでの標識探索の難易さを調べた。被験者には、それらの場所を撮影したスライドを見せ、「非常口」標識の検出時間、そのときの眼球運動を測定した。その結果、周囲に類似物がない状況では、標識を瞬時に発見できるが、視覚的なノイズが多い状況では、標識の検出が極めて困難になることが示された。標識の探索には、周囲の視環境が重要な要因であるといえる。本研究により、防災標識が注意を引くための色彩条件、標識が瞬時に検出されるための視環境条件などについて、有用な基礎データが得られた。また、色の見えのモードの観点から目立ちを検討するという、新しい考え方を提供できたものと思う。