著者
黒田 栄喜 玖村 敦彦
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.623-627, 1989
被引用文献数
2 1

近接した日の間にみられる水稲個葉の光合成速度 (CER) の変動とその生理的基礎, 並びに, 葉面光強度および気孔伝導度 (g<SUB>s</SUB>) の2要因がCERに及ぼす効果の相互関係について検討した。(1) CERの日による変動; (i) 圃場条件下で, 数日間連続して, 午前のほぼ同じ時刻に, 飽和光下で同一葉のCERを測定したところ, その値は日によって異なり, この期間の最大値と最小値の開きは5~10 mg CO<SUB>2</SUB> dm<SUP>-2</SUP>h<SUP>-1</SUP>に達することが認められた。(ii) CERの日による変動はg<SUB>s</SUB>のそれと並行的であった。(iii) g<SUB>s</SUB>の日による変動は蒸発計蒸発速度と密接な関連を示し, この値が大きい日にはg<SUB>s</SUB>が小さいという傾向がみられた。(2) 葉面光強度とg<SUB>s</SUB>のCERに及ぼす効果の相互関係; (i) 連続した数日間においていろいろな時刻に測定した同一葉位の葉のCERと葉面光強度およびg<SUB>s</SUB>との関係を検討したところ, 両要因の効果には相互作用が存在することがわかった。すなわち, (ii) 弱光下ではCERはg<SUB>s</SUB>に無関係に, ひとつの光-光合成曲線であらわされた。(iii) 光飽和点はg<SUB>s</SUB>が大きいほど高かった。(iv) 強光下ではCERは光強度に影響されずg<SUB>s</SUB>の増大に伴い増加した。

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