著者
義平 大樹 唐澤 敏彦 中司 啓二
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.165-174, 2000-06-05
被引用文献数
2

道央多雪地帯においてコムギ, ライムギより多収を示す秋播ライコムギ品種と低収にとどまる品種の生育特性の違いを把握し, ライコムギの多収品種育成のための育種目標および多収を実現するための栽培上の注意点を明らかにするために, ライコムギ品種, 北海道の秋播コムギ品種, および秋播ライムギ品種の子実収量とその関連形質を4ヶ年にわたり比較調査した.ポーランド育成のライコムギ品種に, コムギ品種およびライムギ品種に比べて子実収量の高いものが多かった.しかし, ロシア, ウクライナ, フランス, カナダ, 韓国, イングランド育成のライコムギ品種の子実収量はコムギ品種に比べて低かった.前者の多収要因は, コムギに比べて一穂重および地上部重が大きいこと, ライムギに比べ収穫指数が高いことにあると考えられた.後者の低収要因には, 第一に雪腐病発病度が高いこと, 第二に穂数が少ないこと, 第三に収穫指数が低いことがあげられ, 長稈のライコムギ品種において倒伏も低収に関与すると考えられた.道央多雪地帯においてライコムギの多収を実現するためには, 育種目標として冬枯れに対する耐性に優れたもの, 穂数が多く収穫指数の高いものを選抜すること, 栽培技術としては冬枯れによる穂数の減少を防ぐことが重要であり, これらがある程度満たされた時, 穂重型で地上部重の大きいライコムギの特性が多収性に結びつくことが示唆された.

言及状況

Twitter (1 users, 4 posts, 1 favorites)

こんな論文どうですか? 道央多雪地帯における秋播ライコムギの収量性(義平 大樹ほか),2000 http://t.co/eKVT5A7k6B
こんな論文どうですか? 道央多雪地帯における秋播ライコムギの収量性(義平 大樹ほか),2000 http://t.co/KILPSCnR
こんな論文どうですか? 道央多雪地帯における秋播ライコムギの収量性(義平 大樹ほか),2000 http://t.co/KILPSCnR
こんな論文どうですか? 道央多雪地帯における秋播ライコムギの収量性(義平 大樹ほか),2000 http://t.co/KILPSCnR

収集済み URL リスト