著者
高橋 将一 小松 邦彦 松永 亮一
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.67, pp.59-61, 2001-05-15

子実の青臭み(豆臭さ、豆腐臭さ)発生に関与する酵素, リポキシゲナーゼL-1, L-2及びL-3の全てを欠失した大豆品種は, 飲用豆乳や豆乳を素材とするデザート類に対する加工適性が高いだけでなく、小麦粉、卵などの他の食品素材と一緒に用いた場合にでも、加工食品中の過酸化脂質の生成を低レベルに抑え、風味・食味に優れた大豆加工食品を得ることができるなど、従来の大豆にない優れた利用特性が認められる(西場ら 1993, 古田ら 1993, 須田ら 1993). これまでリポキシゲナーゼ欠失大豆として「ゆめゆたか(L-2, L-3欠)」(喜多村ら 1992)と「いちひめ(全欠)」(羽鹿ら 1997)が育成されているが, 両品種の栽培適地は南東北から北関東地域に限定される. 現在, 「いちひめ」は豆乳原料として栃木県のみで生産されているため, 不作になると, 当年度における実需者の必要量を満たすことができなくなるばかりか, 安定供給の不確実性が今後の需要拡大の大きな支障となっている. 安定供給を図ることが問題解決に重要であり, 暖地での栽培に適する品種育成が要望されてきた.

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リポ欠大豆には長い歴史があって、http://t.co/KtRkb8gj というものの開発や、http://t.co/Al7IkDLw こんな詐欺まであって。

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