- 著者
-
武田 富美子
當間 孝子
宮城 一郎
- 出版者
- 日本ダニ学会
- 雑誌
- 日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, no.2, pp.127-133, 1998-11-25
- 被引用文献数
-
4
沖縄県内の床の塵中ダニについては, 従来2.0mmまたは0.5mmメッシュと0.075mmメッシュのふるいを使ってダニを分離した結果が報告されてきた.今回はTarsonemus属のような小型のダニを逃がさないために0.032mmメッシュのふるいを加え, 沖縄県内の3軒の家(A, B, C)から寝室床の塵を採集し各種ダニの出現頻度と出現数を調査した.ヤケヒョウヒダニDermatophagoides pteronyssinusが優占種で, 総ダニ数の43.4%であったが, Tarsonemus属のホコリダニTarsonemus spp.は23.4%, Tarsonemus属同様小型のミジンイレコダニCryptoplophora absconditaも12.1%を占めることを確認した.室内塵中から多数のミジンイレコダニが報告されたのはこれが初めてである.ヤケヒョウヒダニ, ホソツメダニCheyletus eruditus, Bak属のツメダニBak sp., イエササラダニHaplochthonius simplex, カザリヒワダニCosmochthonius reticulatus, ミジンイレコダニおよびTarsonemus属のホコリダニは, 年間を通して検出された.また, Cosmoglyphus sp.はこれまで日本の室内塵中からの報告はなかったが, Cの寝室床の5月には総ダニ数の22.2%を占めた.