著者
武田 富美子 當間 孝子 大友 元 宮城 一郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.169-173, 1999
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

幼児が長時間生活をする保育所のダニを調べた。沖縄県宜野湾市と西原町の保育所5カ所で, 1997年2月と7月に3歳児の部屋の床, 昼寝時に使用されるゴザ, 敷布団, 毛布(タオルケット)から塵を集めた。ヤケヒョウヒダニが優占種だった。ダニ数は2月に3,740(サンプル数17), 7月に2,204(サンプル数19)で, 7月の方が少なかった。36サンプル中15サンプルで, 1m^2あたり100以上のダニ数が検出された。ゴザに最も多くのダニが検出され, 2月の総ダニ数の50.2%, 7月の68.9%を占めた。
著者
武田 富美子 當間 孝子 金城 直美 宮城 一郎 佐藤 良也
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.163-168, 2002
参考文献数
13
被引用文献数
1

The study was carried out in central mainland Okinawa to determine the mite densities and fauna in four hospitals. One hundred and twenty-seven dust samples were collected from the floor and bedding in the hospitals in May, August and November 1996, and February 1997. The average number of mites was 30.9/m^2 for the floor and 180.0/m^2 for bedding. There was significant difference in the mite number between the floor and bedding. The genus Dermatophagoides predominated at the rate of 89.6%. In 29 out of 127 samples, Dermatophagoides farinae was more abundant than D. pteronyssinus. Blomia tropicalis was found in low frequency and in small numbers in the hospitals. Five Sarcoptes scabiei were found from a mattress and blanket in a patients room. This species was also found from a mattress and futon in the rest room for hospital staff.
著者
當間 孝子 宮城 一郎 武田 富美子 岸本 涼子 阿波根 綾子
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.309-319, 1998
被引用文献数
4 2

沖縄県の20健常者家庭において, 寝具, 寝室床細塵中のダニ相やダニ数が調査された。寝具の中ではスプリングベッドマット(GM, 3,076)に, 寝具ではカーペットを敷いた床(4,775)に最もダニが多いことが明らかになった。調査したスプリングベット及びカーペット床の37.5%が1m^2当たり5,001個体以上のダニが採取され, 1,000以下のダニがとれたスプリングベットマットとカーペット敷床はなかった。スプリングベットマットを使用している人の敷布団にはダニが有意に多かった。寝具, 寝室床で最も多くとれたダニはDermatophagoides pteronyssinus(寝具75-99%, 寝室床75-96%)であり, Blomia tropicalis (0.4-11,0.9-5.8), Tyrophagus putrescentiae (0.03-4.2,0.1-9.8)とつづいた。
著者
武田 富美子 當間 孝子 宮城 一郎
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.127-133, 1998-11-25
被引用文献数
4

沖縄県内の床の塵中ダニについては, 従来2.0mmまたは0.5mmメッシュと0.075mmメッシュのふるいを使ってダニを分離した結果が報告されてきた.今回はTarsonemus属のような小型のダニを逃がさないために0.032mmメッシュのふるいを加え, 沖縄県内の3軒の家(A, B, C)から寝室床の塵を採集し各種ダニの出現頻度と出現数を調査した.ヤケヒョウヒダニDermatophagoides pteronyssinusが優占種で, 総ダニ数の43.4%であったが, Tarsonemus属のホコリダニTarsonemus spp.は23.4%, Tarsonemus属同様小型のミジンイレコダニCryptoplophora absconditaも12.1%を占めることを確認した.室内塵中から多数のミジンイレコダニが報告されたのはこれが初めてである.ヤケヒョウヒダニ, ホソツメダニCheyletus eruditus, Bak属のツメダニBak sp., イエササラダニHaplochthonius simplex, カザリヒワダニCosmochthonius reticulatus, ミジンイレコダニおよびTarsonemus属のホコリダニは, 年間を通して検出された.また, Cosmoglyphus sp.はこれまで日本の室内塵中からの報告はなかったが, Cの寝室床の5月には総ダニ数の22.2%を占めた.
著者
武田 富美子 古賀 徳子
出版者
沖縄国際大学
雑誌
沖縄国際大学人間福祉研究 (ISSN:13483463)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.115-124, 2005-09-01
被引用文献数
1

筆者の一人は、教職総合演習において、環境問題をテーマに「学びの即興劇」を実践してきた。それを中学・高校で活用するために他のテーマに応用したいと考え、同教科に参加型学習を取り入れているもう一人の筆者に合同演習を呼びかけた。彼女は、「平和の文化」を身につける方法として「学びの即興劇」に関心を持ち、合同演習が実現した。そのねらいを「教師となった時におこるであろう問題を、即興劇を通して擬似的に体験することで、自分なりの考えをもつきっかけとすること」とし、「いじめ」「非行」「不登校」「学級崩壊」を劇の題材にした。学生たちは想像力を働かせ、登場人物の思いを言葉にし、とまどいや苛立ち、怒りを身体で表現した。教育の諸問題を解決するために、教師が生徒や親の視点をもつことは重要であり、「学びの即興劇」はその有効な手段のひとつと考えられた。また、問題を平和的に解決するための学習として効果的であった。