著者
渡辺 幸一 永尾 一平 田中 浩
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.393-398, 1996-06-25
被引用文献数
1

小笠原諸島母島において大気中のH_2O_2濃度やO_3濃度を1995年4月及び7月の2度にわたり測定した. 4月においては, 小笠原諸島が大陸性気団に覆われた時にO_3やH_2O_2が高濃度となった. 7月のO_3濃度は4月より低かったが, H_2O_2濃度の平均値は4月より高かった. これは, 日射量の違いによるものと考えられる. 過酸化水素濃度は通常, 日中に高く夜間に低くなったが, 相対湿度が比較的低い時には, H_2O_2濃度が夜間に増加する現象がしばしば観測された. 夜間におけるH_2O_2濃度の減少は相対湿度に強く依存していた. 海洋大気中では夜間におけるH_2O_2の消失は不均質過程 (heterogeneous process) によるものである. この消失割合 (loss rate) は, 0.3〜6.5×10^<-5> s^<-1>程度で, 相対湿度が高くなると大きくなることがわかった. このような過程は海洋大気中におけるHO_x濃度に重要な影響を与えているものと考えられる.

言及状況

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@_Questor 南の島は過酸化水素濃度でも心配しとけ http://t.co/DQM7MDTmCJ

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